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3Dプリンター用乾燥剤の選び方|シリカゲルの再生方法も

開封して1か月のPLAフィラメントが、印刷中にパチパチと小さな音を立てます。乾燥剤を足そうと検索すると、シリカゲル・塩化カルシウム・モレキュラーシーブの3タイプが並んで出てきます。

この3つは吸う湿度の範囲も、繰り返し使えるかどうかも別物です。

密閉容器でフィラメントを保管する目的なら、加熱して再生できるシリカゲルA型かモレキュラーシーブが基本で、塩化カルシウムは吸った水が液体になるためプリンター周りには置きにくくなります。

本記事では、3タイプの吸湿特性の違い・容器の容積から決める必要量・乾燥剤では戻せない湿気の線引きを解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

乾燥剤選びで最初に決まるのは再生の可否

吸湿のスピードや価格より先に確かめたいのが、使い切りか、加熱して繰り返し使えるかという点です。

密閉容器に入れた乾燥剤は外から入る湿気と中のフィラメントが持つ水分を吸い続け、いずれ吸える量の上限に達します。

そこから先は、ただの詰め物として箱に入っているだけになります。

シリカゲルとモレキュラーシーブは加熱で水分を飛ばせるため、飽和しても再生して戻せます。

一方で塩化カルシウムは吸った水分が溶けて液体になる潮解(ちょうかい)という変化を起こすので、再生はできず、溜まった水ごと交換します。

保管を何年も続けるなら、ここで消耗品の出費と手間の量が変わります。

交換時期の見分け方も選ぶときの差になります。

シリカゲルには吸湿量に応じて色が変わるインジケーター入りの製品があり、青からピンク、あるいはオレンジから緑といった変化で飽和の目安が分かります。

色が付いていないタイプは、重さを量るか、容器に湿度計を入れて庫内の湿度そのものを見るほうが正確に判断できます。

フィラメント保管に使う乾燥剤の3タイプ

シリカゲルA型とB型の違い

同じシリカゲルでも、A型とB型は吸湿の得意な範囲が逆です。

A型は湿度が低い領域でもよく吸い、容器の中を乾いた状態に保つ用途に向きます。

B型は湿度が高いときの吸湿量が大きいかわりに、低い湿度まで下げる力は弱く、湿度を一定に保つ調湿用として作られています。

フィラメント保管で狙うのは低い湿度の維持なので、選ぶのはA型です。

製品名に型が書かれていないときは、調湿用と書かれていないかを確認してください。

モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)

モレキュラーシーブは、決まった大きさの細かい穴を持つ人工の鉱物で、低い湿度でも水分を捕まえ続けます。

乾いた状態を深く保ちたい保管には向いた材質です。

ただし再生に必要な温度がシリカゲルより高く、家庭用のオーブンでは指定温度に届かない製品もあります。

買う前に、再生温度が製品の表示に書かれているかを見てください。

塩化カルシウム(押入れ用の除湿剤)

吸える水の量は3タイプで最も多く、湿った空間を一気に下げる力があります。

そのかわり吸った水は容器の底に溜まり、倒せばこぼれます。

塩化カルシウムの水溶液は金属をさびさせるため、プリンターや工具の近くに置く乾燥剤としては選びません。

使うとしても、フィラメントとは別の棚で部屋そのものの湿気を下げる役に限ります。

タイプ別に向いている使い方

タイプ吸湿の特徴再生向いている使い方
シリカゲルA型低湿度域でも吸い続ける。インジケーター入りの製品が多い加熱で再生できる密閉コンテナや自作ドライボックスでの常用。フィラメントを月単位で保管する人
シリカゲルB型高湿度域の吸湿量は大きいが、低い湿度までは下げにくい加熱で再生できる湿度を一定に保つ調湿用途。フィラメント保管には選ばない
モレキュラーシーブ低湿度でも吸う力が強い再生温度が高く、家庭のオーブンでは届かない製品もある開封後に長期保管するPVAやTPUなど、吸湿しやすい印刷素材の保管
塩化カルシウム吸湿量は最大。吸った水は液体として溜まる再生できず使い切りプリンターから離れた場所での部屋の除湿。保管容器の中には入れない

迷ったときは、インジケーター入りのシリカゲルA型を粒で買い、通気性のある袋に小分けして使う形がいちばん扱いやすい組み合わせです。

色の変化で交換時期が目に見え、再生して使い回せます。

反対に、こぼれた液体を拭く手間を考えずに押入れ用の除湿剤をフィラメントの箱へ入れると、後で面倒になります。

量の不足と容器の密閉不足が失敗の原因

乾燥剤を入れたのに湿度が下がらないという状態は、ほとんどが量か容器のどちらかの問題です。

食品に入っているような小袋を1つだけ衣装ケースへ放り込むと、内側の容積に対して吸える水の量がまるで足りず、数日で飽和します。

乾燥剤はパッケージに「何リットルの空間に何グラム」という目安が書かれているので、容器の容積から逆算してください。

もう一方の容器側では、パッキンの有無で結果が変わります。

ふたを載せるだけのコンテナは外気が入り続けるため、乾燥剤がその湿気を吸い続けて終わります。

ゴムパッキンとロック金具が付いた密閉コンテナか、ジッパー袋の二重使いにすると、乾燥剤の消費が一気に遅くなります。

容器の作り方と湿度計の置き方はドライボックスの自作手順で解説しています。

粒を袋に詰め替えるときは、不織布の目が粗いものを避けてください。粒が漏れてスプールの間に落ち、押出機(エクストルーダー)側まで入り込むと、噛み込みの原因になります。

乾燥剤の量はスプール本数ではなく容積から逆算

「1本につき何グラム」という数え方ではうまくいきません。

吸う相手は容器の中の空気と、そこへ外から入ってくる湿気だからです。

1kg巻のスプールを1本入れるだけでも、手が入る余裕を持たせた密閉コンテナなら内容積は10リットル前後になります。

4本まとめて入れる大型コンテナなら、同じ密閉度でも必要量は数倍に増えます。

置き方では、1か所にまとめず、スプールの脇と底に分けて配置してください。

空気が動かない箱の中では、乾燥剤から遠い場所ほど湿度が下がるまでに時間がかかります。

そのうえで、小型の温湿度計を1つ入れておくと、交換のタイミングを色ではなく数字で判断できます。

Bambu LabのAMS 2 Proのように、密閉保管に加えて庫内の温度と湿度を検出して画面やアプリに表示するユニットもあり、保管用の箱でも考え方は同じです。

湿気を吸ったフィラメントは乾燥剤では戻らない

乾燥剤の役割は、乾いた状態を保つことです。

すでに水分を含んで糸引きや表面の荒れが出ているフィラメントを、常温の箱に入れて元へ戻すことはできません。

樹脂の内部まで入った水分を抜くには、熱を加える必要があります。

造形面のざらつきは研磨では消えないので、積層痕を消す表面処理のやり方で扱う範囲とは原因が別だと切り分けてください。

専用のフィラメント乾燥機では、SUNLU FilaDryer S2が1kg巻を1本、最高70℃まで加熱でき、PLA・PETG・TPU・ABS・PVA・PVBに加えてPA(ナイロン)とPCへ正式対応しています。

印刷しながら直接給送できる作りなので、乾燥と運用を分けずに済みます。

4本同時に入れたいならFilaDryer S4があり、こちらは庫内湿度が50%を超えると自動で再加熱する機能を備えています。

Creality SpacePi X4は45〜85℃の範囲と1〜48時間のタイマーを持ち、乾燥剤を内蔵した密閉保管にも使えます。

乾燥温度と時間は印刷素材とメーカーで異なるので、一律の数値で決めずに、使っているフィラメントのメーカー推奨値を確認してください。消費電力はS4が330W、SpacePi X4が360Wで、長時間運転したときの電気の使い方は3Dプリンターの電気代の計算方法で解説しています。

よくある質問

お菓子に入っていたシリカゲルを再利用できますか

少量なら使えますが、1袋あたりの吸湿量が小さく、コンテナ1箱ぶんを賄う量にはなりません。

型の表示もないため、低湿度まで下げられるA型かどうかも分かりません。

保管用には、容量と型が明記された製品をまとめて買うほうが管理しやすくなります。

シリカゲルは電子レンジで再生できますか

加熱方法は製品ごとに指定されています。

オーブン限定のものもあれば、電子レンジ対応をうたうものもあり、インジケーターの色素は熱に弱い製品もあります。

パッケージに書かれた再生温度と加熱方法に従ってください。

袋ごと加熱してよいかどうかも製品で違います。

乾燥剤を入れておけばフィラメント乾燥機は要りませんか

開封直後から密閉保管していて湿度を低く保てているなら、乾燥剤だけで運用している人もいます。

ただし一度でも湿気を吸ってしまった巻きは、加熱しなければ戻せません。

PVAやTPU、PAのように吸湿しやすい印刷素材を使うなら、保管と乾燥の両方を用意しておくと手戻りが減ります。

AMSの中に乾燥剤を入れてもいいですか

AMS 2 Proは最高65℃のアクティブ乾燥と密閉保管に対応しているので、まずその機能を使ってください。

A1・P1・X1系のプリンターで乾燥機能を動かすには外部電源アダプターが必要です。

AMS liteは開放型で乾燥機能を持たないため、使わないフィラメントは取り外して密閉容器へ移すほうが湿度を保てます。

保管まわりで他に揃えておくものはありますか

密閉コンテナと温湿度計に加えて、スプールを置く台とフィラメントを切るニッパーがあると出し入れが楽になります。最初に揃える道具の一覧は3Dプリンターの必須工具で解説しています。

まとめ

乾燥剤は、加熱して再生できるシリカゲルA型を軸に考え、より深く乾かしたい印刷素材にはモレキュラーシーブを足すのが扱いやすい組み合わせです。

塩化カルシウムは吸湿量こそ大きいものの、液体が溜まる作りなのでプリンター周りには置きません。

量はスプールの本数ではなく容器の容積から逆算し、パッキン付きの密閉容器と湿度計をセットにしてください。

すでに湿ったフィラメントは乾燥剤では戻らず、そこからはFilaDryer S2やSpacePi X4のような加熱式の出番になります。

ぜひ本記事のタイプ別比較表と容積からの逆算の考え方を参考に、手持ちのフィラメントに合う乾燥剤を選んでみてください。

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