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Tinkercadの使い方入門|無料で始める3Dモデル作成の手順

Tinkercadの画面を開くと、右側に赤い箱と灰色の床だけが見えます。

Autodeskが提供するこのブラウザ版3Dデザインツールは、形を足す「ソリッド」と、くりぬく「穴」の2種類のブロックを重ねるだけでモデルができます。

立体を一から彫るのではなく、積み木とクッキー型を組み合わせる感覚に近い作りです。

公式サイトでは1億人以上のユーザーと8億個超のデザインが公開されているとされ、教育用途を柱にした広告なしのWebアプリとして運用されています。

本記事では、Tinkercadの基本操作の手順・寸法指定を飛ばすと起きる失敗・つまずきやすい穴やグループ化の直し方を解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

Tinkercadの使い方は「置く・測る・くりぬく」の3操作で足りる

Tinkercadで最初に覚えるのは、形状の追加と寸法の入力、そして穴での切り抜きだけです。

ブラウザでログインして新規デザインを作ると、作業平面(グリッドの床)と右の形状パネルが表示されます。

ここから先は、同じ動作の繰り返しになります。

形を置いてから寸法を入れる

  • 右のパネルからボックスや円柱をドラッグして作業平面に落とす。ここで大きさは適当でかまいません
  • 置いた形をクリックして選択し、角に出る白い四角をクリックして数値を直接入力する。目分量でドラッグすると、実物に合わない寸法が残ります
  • 上面の黒い矢印を引くと高さが変わり、斜めの矢印で平面方向のサイズが変わる。高さだけ数値を入れ忘れる例が多いので、3辺すべてを確認してください
  • 形を複数置いたら、整列機能(Lキー)で中心をそろえる。目で合わせた中心は印刷すると必ずずれます

視点の操作も最初に体に入れておくと早いです。

マウスの右ドラッグで回転、ホイールで拡大縮小、ホイールドラッグで平行移動します。

見る角度を変えないまま作業すると、裏側に浮いた部品があっても気づけません。

穴でくりぬく

ネジ穴やケーブルの通り道は、形状パネルの灰色のストライプが付いた「穴」を使います。

穴の形を本体と重ねてから、両方を選択してグループ化(Ctrl+G)すると、重なった部分だけが消えます。

穴は重なっていなければ何も起きないので、側面から見て確実に貫通しているかを確かめてください。

寸法を目分量で決めると印刷後に入らない

Tinkercadの作業平面は1マス1mmのグリッドですが、画面上のサイズ感はズーム倍率で変わります。

実物に合わせる部品で目分量のまま進めると、できあがったモデルが数mm単位でずれます。はめ込み部品では、この数mmが致命的です。

さらに厄介なのは、スライサーソフトに渡したあとで気づく点です。

Tinkercad側で寸法を直すと、書き出し直しとスライスのやり直しが発生します。

印刷まで進んでから修正すると、フィラメントと時間をまるごと捨てることになります。

対策はひとつで、先にノギスか定規で現物を測り、その数値を形状の寸法欄に打ち込むことです。

穴側は実測値そのままだと樹脂の収縮と押し出し幅の分だけきつくなるため、0.2〜0.4mm程度大きめに作って試すのが一般的な進め方になります。

どの程度足すかは機種と印刷素材で変わるので、小さなテスト片を1個刷って確かめてから本番に進んでください。

書き出しからスライスまでの流れはTinkercadからSTLを書き出す手順で解説しています。

Tinkercadでつまずきやすい失敗と直し方

グループ化したら穴まで消えた

複数の形をまとめて選択してグループ化すると、全体が最初に選んだ形の色に統一され、穴も一緒に確定します。

元に戻すにはCtrl+Shift+G(グループ解除)を使いますが、別の操作を挟んだあとだと戻せる履歴が尽きます。

穴の位置が固まるまではグループ化せず、必要な単位だけを先にまとめてください。

部品が床から浮いている

形を別の形の上にドラッグすると、下の形の天面が新しい作業平面として扱われ、Z方向に持ち上がった状態になります。

このまま書き出すと、スライサーソフト上で宙に浮いたモデルになり、サポート材だらけの印刷になります。

選択してからDキー(Drop)を押すと作業平面まで落ちるので、書き出し前に全選択して一度押しておくと防げます。

文字や薄板が印刷で消える

Tinkercadでは0.5mm厚の板も問題なく作れますが、0.4mmノズルでは壁1本ぶんの厚みしかなく、形として残らないことがあります。

銘板の文字やロゴは、高さ1mm以上・線の太さ1mm以上を目安にしてください。

画面上で読めても、ノズル径より細い線は出力されません。

読み込んだSTLが巨大・極小になる

他サイトのデータをインポートすると、単位の解釈違いで極端な大きさになることがあります。

Tinkercadのインポート画面でスケールを%指定できるので、読み込み時に調整してください。

モデルの入手先ごとの注意点は無料3Dデータサイトの選び方とThingiverseの使い方で解説しています。

必要な道具は意外に少ない(ブラウザとマウス)

Tinkercadはダウンロード不要のWebアプリなので、動く環境があれば追加投資は不要です。そのうえで作業効率が変わるのは入力機器のほうです。

道具必要度代用・補足
ブラウザ(PC)必須タブレットでも動くが、数値入力と右ドラッグ回転はPCのほうが扱いやすい
ホイール付きマウスほぼ必須トラックパッドでも操作できるが、回転と拡大の切り替えが煩雑になる
ノギス推奨定規でも代用可。ただし穴径や板厚は0.1mm単位の差が効果に出る
方眼紙任意スケッチを先に描くと、画面上で迷う時間が減る
スライサーソフト印刷時に必須Bambu Studio、OrcaSlicer、Curaなど。Curaの初期設定で解説しています

Tinkercadの保存は自動で、作業は数秒ごとにクラウドに記録されます。そのぶん通信が切れた状態では作業できないので、長時間の作業は安定した回線でおこなってください。

印刷素材で変える設計の寸法(PLA・PETG・TPU)

同じデータでも、どのフィラメントで刷るかで仕上がり寸法とはまり具合が変わります。Tinkercad側で素材を指定する機能はないため、設計の段階で余裕量を調整しておきます。

PLAは収縮が小さく、入力した寸法に近い形で出ます。はめ合いの余裕は小さめから試せますが、熱に弱いため、夏の車内や照明の近くで使う部品には向きません。

PETGはPLAより粘りがあり、冷えるときの縮みがやや大きいので、穴は少し大きめに設計したほうが入ります。

糸引きが出やすく、細かい凹凸は埋まりやすいため、文字やリブは太めに作ってください。

TPUは柔らかい素材で、設計上の寸法どおりに組んでも、力をかければ変形して入ってしまいます。

そのため、はめ合いの余裕はむしろ少なめにして、素材のたわみで押さえる考え方になります。

細い柱や薄い壁は印刷中にノズルに押されて形が崩れるため、Tinkercadの段階で肉厚を確保しておくと失敗が減ります。

なお、A1シリーズのようなオープンフレーム機ではABS・ASA・PC・PAが公式に推奨ではないとされているので、それらを前提にした設計は機種の対応表を見てから進めてください。

どこまでTinkercadで作り、どこから別ツールへ移るか

Tinkercadはブロックの足し算と引き算でできる形に強く、箱・スペーサー・棚の仕切り・簡単な治具(じぐ、作業を助ける補助具)までは短時間で完成します。

一方で、なめらかな曲面、厚みを一定に保ったシェル形状、あとから寸法だけ変える設計変更は不得意です。

すでに引いた形をパラメータで作り直す仕組みがないため、サイズ違いを量産する段階で手間が増えます。

キャラクターや彫刻のような有機的な形はポリゴン編集のBlenderで3Dプリント用データを作る手順、機械部品や寸法を何度も見直す設計はFusion 360の個人利用条件で解説しているCADが向きます。ただし両方とも操作の習得に時間がかかるため、まずTinkercadで一通り印刷まで通し、物足りなくなってから移るほうが挫折しにくい進め方です。

子どもと一緒に使う場合は、公式が広告なし・kidSAFE認定・クラス機能を掲げている点が扱いやすさにつながります。年齢別の始め方はTinkercadは子どもでも使えるかで解説しています。

よくある質問

Tinkercadは無料で使い続けられますか

公式サイトでは無償のWebアプリとして提供されており、3Dデザインに加えて電子回路やコーディングの機能も含まれています。

ダウンロードは不要で、ブラウザとAutodeskアカウントがあれば始められます。

機能や提供条件は変わる場合があるため、登録前に公式の案内を確認してください。

作ったモデルはそのまま3Dプリンターで印刷できますか

Tinkercadから書き出したSTLやOBJを、スライサーソフトに読み込んでから印刷します。

Tinkercad自体はプリンターへ直接送るツールではありません。

書き出す前に、浮いた部品がないか、穴が貫通しているかを側面から確認してください。

グループ化を戻せなくなったときはどうすればよいですか

Ctrl+Zの履歴が残っていれば戻せますが、保存後に時間が経つと戻せません。形状を作り直す手間を避けたいなら、複雑な形はコピーを別の場所に残してからグループ化する進め方をおすすめします。

他サイトでダウンロードしたデータをTinkercadで編集できますか

STLやOBJをインポートして、穴を足したり一部を切り落としたりできます。

ただしポリゴン数の多いデータは読み込めないか、動作が重くなります。

また、配布データには作者が設定したライセンスがあり、改変や再配布の可否はモデルごとに異なります。

Printablesの使い方でライセンス表示の見方を解説しています。

スマートフォンだけで操作できますか

ブラウザからアクセスはできますが、寸法の数値入力と視点操作が指では扱いにくく、細かい調整には向きません。閲覧や簡単な確認ならスマートフォン、設計はPCという使い分けが現実的です。

まとめ

Tinkercadの操作は、形を置き、数値で寸法を入れ、穴でくりぬくという3つの動作に集約されます。

手を動かす前に現物を測り、書き出す前にDキーで浮きを落とし、側面から穴の貫通を確かめる。

この3点を守るだけで、印刷してから作り直す回数が目に見えて減ります。

印刷素材がPLAかPETGかTPUかで、はめ合いに持たせる余裕の方向まで変わる点も、設計の段階で思い出してください。

ぜひ本記事の操作手順と素材別の寸法の考え方を参考に、まずは手のひらサイズの部品を一つ作って印刷まで通してみてください。

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