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3Dプリンターのフィラメントが湿気った?見分け方と復活手順

プリント中にプチプチと小さな破裂音が鳴る。

ノズルから細い糸が引かれて、造形物の表面がうっすら毛羽立つ。

この2つが同時に出ているなら、フィラメントが湿気を吸っている可能性が高いです。

ただし糸引きだけならノズル温度が高すぎるだけのこともあり、表面の荒れは冷却不足でも起きます。

湿気のせいだと決めつけて乾燥させても、原因が別ならなにも変わりません。

やっかいなのは、湿気は目で見えないこと。

開封済みの巻きが1週間で吸うこともあれば、未開封でも保管場所によっては怪しくなります。

本記事では、湿気で起きる症状の見分け方・素材ごとの吸湿しやすさ・乾燥のやり方と保管の条件・効きにくい対処法を解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

3Dプリンターのフィラメントが湿気を吸うと何が起きるか

フィラメントの樹脂は空気中の水分を少しずつ取り込みます。

その水分は、ノズル内の200℃以上の空間に入った瞬間に水蒸気へ変わって膨張する。

押し出されている樹脂の中で気泡がはじけるので、あの破裂音が鳴ります。

音・表面・寸法に出る症状

いちばん分かりやすいのはプチプチ音、あるいはシューという蒸気の音です。

次に出るのが表面の変化で、気泡が抜けた跡が細かい凹凸やザラつきになります。

押し出し量が水蒸気の分だけ不安定になるため、壁が薄くなったり、層と層の間にすき間が空いたりする。

積層の接着が弱くなって、指で割れるほど脆い造形物になることもあります。

糸引きとオーバーハングの崩れ

水分を含んだ樹脂は溶けたときに粘りが落ちるので、移動中にノズルからだらだら垂れます。

これが糸引きの正体です。

同じ理由で、宙に張り出す部分の輪郭がだれて、支えのない箇所が崩れやすくなる。

とくにPETGとTPUは吸湿しやすいうえ、もともと糸を引く性質があるので症状が重なって見えます。

素材ごとの性格はフィラメント種類の早見表で解説しています。

湿気が原因か、設定が原因かを切り分ける

症状が似ているだけに、ここを飛ばすと手当てが空振りします。

順に確かめてください。

まず音を聞く。

ノズルの近くで断続的な破裂音や蒸気音がしていれば、湿気とみてほぼ間違いありません。

音がしないのに糸引きだけ出ているなら、ノズル温度が素材の推奨より高いか、リトラクション(引き戻し)の設定が足りていないほうを先に疑います。

次に開封直後の別の巻きで同じデータを刷ってみる。

新しい巻きで症状が消えるなら、原因は設定ではなく手元のフィラメントです。

逆に新品でも同じ症状が出るなら、機械側か設定側の問題。

この1回のテストが、いちばん確実な切り分けになります。

もう一つの手がかりは経過時間です。

買った直後はきれいに刷れていて、開封して数週間から数か月たった今おかしいなら吸湿の線。

届いたときから一度もうまく刷れていないなら、輸送前からの保管状態か、そもそも設定が合っていません。

詰まりや反りなど他の症状も混ざっている場合は、失敗の原因を症状から探す一覧で該当する現象から追ったほうが早いです。

吸湿しやすい素材と、しにくい素材

同じ環境に置いても、素材によって湿気の影響はかなり違います。

PLAは比較的おだやかで、多少湿っても糸引きが増える程度で済むことが多い。

対してPETGは吸湿性が高く、湿ると気泡と糸引きがはっきり出ます。

TPUのような柔らかい素材も水分を抱えやすく、押し出しが乱れると送り不良につながる。

ナイロン(PA)やPCは吸湿性がさらに高い部類で、開封したら乾燥保管が前提の素材です。

素材湿気の影響出やすい症状
PLA比較的受けにくい糸引きの増加、表面の軽い荒れ
PETG受けやすい破裂音、気泡跡、強い糸引き
TPU受けやすい押し出しの乱れ、表面のザラつき
PA・PC非常に受けやすい気泡、層間の弱化、寸法の乱れ

PLAでも夏場に開封したまま数か月置けば症状は出ます。

素材の性格は「どのくらいの期間で怪しくなるか」の差として捉えるといいです。

PLAとPETGの扱いの違いはPLAの特徴と設定とPETGの強度と印刷設定でそれぞれ解説しています。

湿気たフィラメントを乾燥させる手順

乾燥は「低めの温度で長く」が基本です。

素材の軟化点に近い温度をかけると、巻きどうしが融着してスプールから引き出せなくなります。

乾燥温度と時間は素材とメーカーで違うので、必ずフィラメントのメーカー推奨値を確認してください。

目安としてはPLAが45〜55℃前後、PETGやTPUが50〜65℃前後の帯で語られることが多く、乾燥時間は数時間から半日というレンジになります。

専用の乾燥機を使う

いちばん確実なのはフィラメント乾燥機です。

SUNLU FilaDryer S2は1kg巻を1本入れられて最高70℃まで、PLA・PETG・TPU・ABS・PVA・PVBに加えてPA(ナイロン)とPCにも正式対応しています。

印刷中にそのまま給送できるので、乾燥させながら刷るという使い方ができる。

複数の巻きをまとめて処理したいなら、1kg巻を4本同時に入れられるS4という選択肢もあります。

S4は庫内湿度が50%を超えると自動で再加熱に入る機能付きで、公称の昇温は25℃から50℃まで30分。

乾燥機の選び方では容量と温度帯の見比べ方を解説しています。

プリンターのヒートベッドや食品乾燥機で代用する

手元に乾燥機がない場合の応急策として、ヒートベッドの上に箱をかぶせて温める方法や、食品乾燥機を使う方法が知られています。

ただしどちらも庫内の温度が場所によってばらつきやすく、局所的に高温になった部分でスプールが変形したり、フィラメントが融着したりするリスクがある。

温度計を入れて実際の温度を確かめられないなら勧めません。

オーブンや電子レンジでの加熱は温度制御が粗すぎるので避けてください。

乾かしても直らないときに疑うこと

しっかり乾燥させたのに症状が残るなら、原因は湿気だけではありません。

まずノズル。

湿気たフィラメントを刷り続けると、気泡と炭化した樹脂がノズル内壁に残ることがあります。

押し出し量が明らかに足りない、あるいは途中で止まる場合はノズルの詰まりを疑ってください。

A1シリーズのようにネジ無しでノズル交換できる機種なら、交換して切り分けるのが手っ取り早い。

次にフィラメント自体の劣化です。

長く湿った状態が続いた巻きは、樹脂が加水分解を起こして元の強度に戻らないことがあります。

とくにPETGやPAで、乾燥後も脆く折れるようなら、その巻きは造形物用ではなくテスト印刷用に回して、新しい巻きに切り替えたほうが結果は早く出ます。

折るとパキッと簡単に割れる、表面が白く粉を吹いている――こうした状態は劣化のサインとみていいです。

それでも解決しないなら、乾燥そのものが足りていない可能性も残ります。

庫内が満杯だと風が回らず、スプールの内側まで熱が届きません。

1本ずつ、時間を長めに取って再度試してみてください。

効きにくい対処法

湿気対策としてよく見かけるものの、期待したほど効かない手があります。

除湿機を部屋で回すだけ

部屋の湿度を下げるのは保管環境として意味がありますが、すでに水分を吸ったフィラメントから水を抜く力はありません。

樹脂の内部に入った水分は、加熱しないと出てこない。

除湿機は「これから吸うのを遅らせる」道具で、「すでに吸ったものを回復させる」道具ではないと考えてください。

印刷速度を落として糸引きを消す

速度を下げれば糸引きが目立たなくなることはあります。

ただし気泡による表面の荒れや層間の弱さは残るので、症状にふたをしただけ。

強度が要る部品では、速度を落としたぶん時間だけ延びて結果は改善しない、ということも起こります。

音が鳴っているなら、まず乾かすのが順番です。

密封袋に入れて放置する

乾燥剤なしで袋に入れても、袋の中の湿った空気ごと閉じ込めるだけです。

しかも一般的なシリカゲル乾燥剤は、すでに湿気を吸い切っていれば何の役にも立ちません。

色で吸湿状態が分かるタイプを使い、飽和したら交換または加熱再生する。

袋は保管手段であって、乾燥手段ではないという線引きが要ります。

次の1巻から繰り返さない保管の条件

再発を防ぐ条件はシンプルで、開封したら乾燥剤と一緒に密閉し、湿度が高い時期は密閉容器か乾燥機の中で保管することです。

乾燥機を保管ボックス兼用として使える製品もあり、Creality SpacePi X4は乾燥剤内蔵の密閉保管に対応していて温度帯は45〜85℃、タイマーは1〜48時間。

スプールは直径200mm以下・幅150mm以下という条件があるので、手持ちの巻きが入るかは事前に確認しておきたいところ。

買い方の側でも工夫できます。

使う頻度の低い素材を大量に買わず、必要な色を必要なぶんだけ確保する。

とくにTPUやPAのように吸湿しやすい素材は、使い切れる量に絞るのが現実的です。

TPUは柔らか素材の印刷のコツで扱っているとおり送り自体が繊細なので、湿気と重なると原因の切り分けが一段むずかしくなります。

置き場所も見直しておくといい。

窓際や外壁に接した壁面、洗面所や台所の近くは湿度が上がりやすい場所です。

押し入れの奥や床に直置きも、季節によっては危ない。

室内でも比較的乾いた場所を選んで、季節をまたぐ保管は密閉を前提にしてください。

よくある質問

未開封のフィラメントも湿気を吸いますか

メーカーの袋は乾燥剤入りで密封されているものが多く、開封済みより持ちます。

ただし袋にピンホールが空いていたり、保管期間が長かったりすれば水分は入ります。

届いてから長く置いた巻きで音が鳴るなら、未開封でも乾燥から始めてください。

乾燥は何度で何時間やればいいですか

素材とメーカーで違うため、一律の数値では答えられません。

フィラメントのラベルやメーカーの案内にある推奨値を確認するのが先です。

目安としてはPLAで45〜55℃前後、PETGやTPUで50〜65℃前後の帯が挙げられることが多く、時間は数時間から半日ほど。

高い温度で短時間より、低い温度で長めのほうが融着のリスクが下がります。

プリント中に樹脂のにおいで気分が悪くなりました

まず換気して、その場を離れてください。

においが少ないとされる素材でも、長時間の印刷では換気をおすすめします。

体調の不調が続く場合は自己判断で対処せず、医療機関に相談してください。

ABSやASAのように密閉筐体と空気濾過が前提の素材は、A1シリーズでは公式に推奨されていません。

素材と機種の対応関係はABSは家庭用で使えるかの条件で解説しています。

まとめ

プチプチ音が鳴っているなら湿気、音がなくて糸引きだけなら温度か引き戻しの設定。

この一次切り分けを済ませてから、開封直後の別の巻きで同じデータを刷って裏を取る。

ここまでやれば、乾かすべきか設定をいじるべきかは自分で判断できます。

乾かしても脆さが残る巻きは劣化しているので、粘らずに次の巻きへ切り替えたほうが早い。

そして、乾燥は治療で、密閉保管が予防です。

除湿機を回すだけ、袋に入れるだけでは吸った水は抜けません。

ぜひ本記事の素材別の影響表と切り分け手順を参考に、いま手元にある巻きの状態を確かめてから次の一手を決めてください。

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