3DプリンターのPETGフィラメントとは?強度・設定・PLAとの違い
PETGは「ポリエチレンテレフタレート・グリコール変性」の略で、ペットボトルに使われるPETへ別の成分を加え、固まるときの結晶化を抑えた樹脂です。
紛らわしいのは、PETとPETGが仕様表では別の素材として扱われること。
Bambu Lab A1 miniの公式仕様では、PETGは推奨素材に、PETは推奨ではない素材に並んでいます。
スプールのラベルには素材名以外にも、径1.75mm、巻き量、「高速」「CF」といった語が並びます。
どれも自分の機種で印刷できるかを左右する情報です。
本記事では、PETGという表記が指しているもの・ラベルの読み分け方・手持ちのプリンターに合う1巻の絞り込み方を解説します。

おうち3Dプリンター編集部
おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
3DプリンターのPETGフィラメントはPETとは別の変性樹脂
PETに含まれるグリコール成分の一部を置き換えたものがPETGです。
この変性によって結晶化しにくくなり、透明感を保ったまま押し出せる樹脂になっています。
表記は「PETG」「PET-G」の両方が使われますが、指しているものは同じです。
いっぽう、変性していない素のPETは、家庭用の機種では扱いが分かれます。
A1 miniとA1の公式仕様では、推奨素材がPLA・PETG・TPU・PVAの4つ。
PETはABS・ASA・PC・PAと同じく「推奨ではありません」の側に置かれています。
密閉型のP1SになるとPET・ABS・ASAが推奨に加わるので、この1文字の差が機種選びの話にまで繋がります。
PLAとの比較で言えば、PETGは高い温度で押し出す素材で、粘りがあるぶん力の掛かる部品に使われます。
造形の質感や設定の違いはPLAとPETGの違いで解説しています。
ここではまず、ラベルの表記そのものを読めるようにしておきます。
径・巻き量・グレード、PETGフィラメントの表記の読み方
PETGと書かれた製品でも、ラベルに並ぶ数字と接尾辞で買うべきものが変わります。
主な表記は次のとおりです。
| 表記 | 意味 | 該当する人 |
|---|---|---|
| PETG / PET-G | グリコール変性PET。同じ素材の書き方の違い | 標準グレードを探している人 |
| 1.75mm | フィラメントの直径。家庭用FDMで主流の規格 | A1・A1 mini・P1Sなど大半の機種 |
| 2.85mm / 3.00mm | 太径。押出機構が対応している機種専用 | 取扱説明書に太径の記載がある機種のみ |
| 高速PETG / PETG HF | 高い流量で流すことを想定したグレード名。Bambu Lab公式ストアには「高速PETG」「PETG ベーシック」「PETG 半透明」が並ぶ | 造形速度を上げたい人 |
| PETG-CF / GF | 炭素繊維・ガラス繊維入り。ノズルが削れやすい | 硬いノズルを持っている人だけ |
| 1kg巻 / 750g巻 | 巻き量。スプールの外径と幅も変わる | 多色ユニットや乾燥機に載せる人 |
ここで見落としやすいのが最後の巻き量です。
中身は同じPETGでも、スプールの寸法が装置側の受け入れ範囲を外れると、そもそも載りません。
対応素材表と巻き寸法でPETGフィラメントを選ぶ
プリンター側の推奨素材とベッド温度の上限を見る
最初に開くのは自分の機種の仕様表です。
PETGはノズル温度がPLAより高い素材で、ベッドもある程度温めて使います。
ノズル側は、A1 mini・A1・P1S・P2Sがいずれも最高300℃なので余裕があります。
差が出るのはベッドで、A1 miniは最高80℃、A1とP1Sは100℃、P2Sは110℃。
同じPETGでも、メーカーが指定するベッド温度が80℃を超える製品はA1 miniでは指定どおりに出せません。
機種ごとの上限はBambu Lab全機種の違いを比較で解説しています。
径とスプールの寸法を合わせる
径は1.75mmを選べばまず外しません。
2.85mmや3.0mmは、乾燥機のSUNLU FilaDryer S4が1.75mm・2.85mm・3.0mmに対応しているように周辺機器側では受けられても、プリンター本体が対応していなければ使えません。
多色ユニットを使うなら寸法の制約が加わります。
AMS liteが受けるスプールは幅40〜68mm・内径53〜58mmで、素材としてはPETGも対応リストに入っています。
ただし同じリストでTPUとTPEは非対応。
柔らかい素材を混ぜたい人は外部スプールから送る前提になるので、TPUフィラメントの印刷のコツもあわせて確認しておくと構成を間違えません。
グレードは、迷うなら標準のPETGから。
CF入りやGF入りは繊維がノズル内壁を削るため、P1Sの標準ステンレスノズルでは公式FAQが不向きとしています。
焼入スチールノズルが標準のP2Sのような機種か、ノズルを交換できる前提で選んでください。
PETGフィラメントの数字がメーカーで違う理由
PETGは配合と添加剤にメーカーの裁量があり、同じ素材名でも推奨ノズル温度・ベッド温度・乾燥条件が製品ごとに違います。
だから他人の設定値をそのまま真似ると合いません。
スプールのラベルか商品ページに書かれた推奨値を起点に、スライサーのプロファイルを合わせるのが順序です。
径の公差も製品差が出る部分です。
1.75mmという表記は同じでも実際の太さのばらつきに幅があり、送りの安定性に影響します。
ばらつきの数値が公開されている製品なら、そこも比較材料になります。
乾燥条件も一律ではありません。
PETGは吸湿しやすい素材で、対応する乾燥機は複数あります。
SUNLU FilaDryer S2とS4はどちらも最高70℃、Creality SpacePi X4は45〜85℃の範囲で1〜48時間のタイマー設定という具合に、装置側の設定幅も違う。
温度と時間はフィラメントのメーカー推奨値を確認してから決めてください。
規格が合わないまま買うと起きること、確認は商品ページのどこを見るか
合わない組み合わせで実際に困ること
2.85mmを1.75mm機に買ってしまえば、押出機に入らないので使い道がありません。
CF入りを標準のステンレスノズルで流し続ければノズルが削れ、交換部品の出費になります。
スプールの外径や幅がAMS liteの範囲を外れた場合は、多色印刷の構成そのものが組めません。
素材と機種が合っていても、PETGは糸引きが出やすい素材です。
表面に細い糸が残る、1層目が定着しないといった症状の切り分けは失敗の原因を症状から探す一覧で解説しています。
においが少ない素材でも、長時間の印刷では換気をおすすめします。
どこに書いてあるか
プリンター側の情報は、公式サイトの技術仕様ページの「推奨フィラメント」欄とベッド最高温度の行。
フィラメント側は、スプール側面のラベルに素材名・径・巻き量・推奨温度が印字されているのが一般的です。
通販ページなら仕様表に径と巻き量、グレード名が載ります。
素材ごとの位置関係を先に押さえたい場合はフィラメント種類の早見表を見てから、個別の製品ページに戻ると比較が早くなります。
よくある質問
PETGとPETは同じ素材として扱っていいですか
仕様表の上では別扱いです。
A1 miniとA1の公式仕様では、PETGは推奨素材、PETは推奨ではない素材に分かれています。
PET対応をうたう機種はP1SのようにPET・ABS・ASAまで推奨に含む密閉型が中心なので、ラベルのGの有無は必ず確認してください。
PETGは乾燥させてから使うべきですか
吸湿しやすい素材なので、開封後に長く置いた巻きは乾燥機を通してから使うのが無難です。
SUNLU FilaDryer S2・S4、Creality SpacePi X4はいずれもPETGを対応素材に挙げています。
設定温度と時間はフィラメントのメーカー推奨値に従ってください。
はじめての1巻をPETGにしても大丈夫ですか
A1シリーズでもP1SでもPETGは推奨素材なので、機種の対応という点では問題ありません。
ただし押出温度が高く糸引きも出やすいため、設定に慣れていない段階ではPLAのほうが結果を読みやすい素材です。
PLAフィラメントの特徴と最初の1巻の選び方と見比べて、作りたい物から決めるのが現実的です。
まとめ
PETGはグリコール変性されたPETで、仕様表ではPETと別の行に置かれます。
買う前に見る順番は、機種の推奨素材とベッド温度の上限、径、スプール寸法、そしてグレード名。
この4つが決まれば候補はかなり絞れます。
推奨温度や乾燥条件が製品ごとに違うのは前提として、ラベルとメーカー表示を起点に設定を合わせれば迷いません。
ぜひ本記事の表記の読み方の表と絞り込みの手順を参考に、手元のプリンターに合う1巻を選んでください。



