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3Dプリンターのフィラメント種類一覧|特性の早見表

通販でフィラメントを探すと、PLA・PETG・TPU・ABS・ASAといった略語が同じ棚に並びます。

写真はどれも同じ形のリールで、見分けがつくのは商品名の数文字だけ。

この略語は樹脂の種類を示していて、耐熱温度・粘り・柔らかさ・印刷の難しさがそれぞれ違います。

そして厄介なのが、プリンター側の対応です。

Bambu Lab A1 miniのように公式にABSやASAが「推奨ではありません」とされている機種もあり、素材を選ぶ前に自分の機種で使えるかを確かめる必要があります。

本記事では、フィラメントの種類が何で分かれるのか・素材ごとの向き不向き・機種側の対応制限・最初の1巻の選び方を解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

フィラメントの種類は「素材名」と「仕上がりの違い」の2階層で分かれる

フィラメントは、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターが使う材料です。

樹脂を細い糸状に加工してリールに巻いたもので、ノズルで溶かして一層ずつ積み上げます。

家庭用で主流の直径は1.75mm。

フィラメント乾燥機の対応表記を見ると1.75mm・2.85mm・3.0mmが並んでいますが、家庭向けの機種とフィラメントはほぼ1.75mmで揃っています。

種類の話がややこしく見えるのは、2つの階層が同じ「種類」という言葉で語られているからです。

ひとつは樹脂そのものの違い、つまりPLAかPETGかTPUかという素材名。

もうひとつは同じ素材の中の仕上がりや性質の違いで、Bambu Labの公式ストアでもPLAベーシック・PLAマット・PLAシルク+・PLAタフ+・PLA半透明のように細かく分かれています。

選ぶときに先に決めるのは素材名です。

耐熱や強度、印刷の難しさはここで決まります。

マットかシルクかは、素材を決めたあとの見え方の調整。

逆の順番で選ぶと、質感は気に入ったのに強度が足りない、という買い方になります。

種類ごとに変わるのは、耐熱・粘り・柔らかさ・吸湿しやすさ

素材が違うと具体的に何が変わるのか。

押さえるのは4点です。

ひとつめは耐熱。

夏場の車内や窓際のような高温になる場所に置く物では、ここが最初の関門になります。

ふたつめは粘り、つまり力が掛かったときに割れるか曲がるか。

ヒンジや爪のように繰り返し力の掛かる部品は、硬くて脆い素材だと折れます。

3つめは柔らかさで、ゴムのようにたわむ素材は用途がまったく別。

4つめは吸湿しやすさです。

湿気を吸った状態で印刷すると、表面のブツブツや糸引きの原因になります。

もうひとつ、印刷そのものの難しさが素材で変わります。

反りやすい素材は庫内の温度を保てる密閉型でないと端が浮き、途中で剥がれます。

ここに機種のベッド最高温度が関わってきます。

A1 miniは80℃、A1とP1Sは100℃、P2Sは110℃、H2Dは120℃。

高温を要求する素材ほど、対応できる機種が絞られます。

まず押さえる3種類|PLA・PETG・TPU

家庭用でいちばん出番が多いのはこの3つです。

逆に言えば、この3つで作れない物に出会うまでは他の素材を調べる必要がありません。

PLA|最初の1巻はここから

比較的低い温度で印刷でき、反りにくく、寸法も出やすい。

フィギュアや小物入れ、棚の間仕切りのような室内で使う造形物はPLAで足ります。

弱点は耐熱で、直射日光の当たる車内や暖房器具の近くに置く物には向きません。

設定の考え方や1巻目の選び方はPLAフィラメントの特徴と設定で解説しています。

PETG|熱と力が掛かる場所に

PLAより耐熱が高く、粘りがあるので割れにくい。

屋外で使うフックや工具の治具のように、そこそこの熱と力に耐えてほしい物ではPETGが候補になります。

代償として糸引きが出やすく、サポート材が剥がしにくいという扱いにくさがあります。

詳しい設定はPETGの強度と印刷設定で、どちらを選ぶか迷う場合はPLAとPETGの違いの比較で解説しています。

TPU|ゴムのようにたわむ素材

スマホケースの縁、滑り止め、パッキンのような用途はTPUの領域です。

ただし柔らかい素材は送り出しが難しく、多色ユニットのAMS lite(自動素材供給システム)は公式にTPU・TPEに非対応。

柔らか素材を使うときは外部スプールから直接送る形になります。

この落とし穴を含めたコツはTPUフィラメントの印刷のコツで解説しています。

密閉型や上位機で選択肢に入る種類

ここから先は、機種の条件を満たしていないと現実的に扱えない素材です。

「使えたら便利」ではなく「使える機種を持っているかどうか」で判断が決まります。

ABS・ASA

耐熱と強度を上げたい場合の定番ですが、反りが強く出るため庫内温度を保てる密閉構造がほぼ前提になります。

Bambu LabではP1Sが公式にABS・ASA対応で、活性炭フィルターも備えます。

一方でA1・A1 miniはオープンフレームのため、公式にABS・ASAが「推奨ではありません」とされています。

条件と代替案はABSは家庭用3Dプリンターで使えるかで解説しています。

PC・PA(ナイロン)

より高い耐熱や靭性を狙う素材です。

P1Sでも公式にPAとPCは非推奨で、P2SやH2Dのようにノズル350℃級・ベッド110〜120℃級で庫内加熱を持つ機種の領域になります。

吸湿もかなり強いので、乾燥の手間もセットで増えます。

カーボン・ガラス繊維強化(CF・GF)

繊維で硬さを上げた素材で、ノズルを削ります。

P1Sは付属ノズルがステンレススチールのため公式FAQで繊維系は不向きとされ、P2Sは焼入スチールノズルを標準にしてPLA-CFやPAHT-CFなどに対応しています。

A1シリーズは繊維強化系も非推奨。

ノズル材質まで見ないと選べない素材です。

PVA・BVOH(水溶性サポート)

水に溶けるサポート材で、複雑な形を多色機構で作るときに使います。

A1シリーズでも公式の推奨素材に入っていますが、AMS liteでは乾いた状態のPVAのみ対応で、湿気を吸った状態は非対応。

使う直前に乾かす前提の素材です。

同じPLAでも、マット・シルク・タフ+で用途が変わる

素材名が決まったあとに出てくるのが、この派生ラインです。

Bambu Labの公式ストアではPLAベーシック、PLAマット、PLAシルク+、PLAタフ+、PLAピュア、PLAグラディエント、PLA半透明、PETGベーシック、PETG半透明、高速PETGなどが並びます。

選び分けの目安はこうなります。

積層の線を目立たせたくない置物や小物ならマット。

光沢を活かした装飾ならシルク系。

力が掛かる部品にPLAを使いたいならタフ+のように靭性を上げたライン。

色が変化するグラデーションや半透明は、機能ではなく見せ方のための選択です。

注意したいのは、派生ラインごとに推奨設定や対応が変わることがある点です。

AMS liteの案内では、蓄光タイプのPLA Glowのような一部の製品が非推奨とされています。

同じ「PLA」でも中身の添加物は違うので、多色ユニットに通す予定があるなら製品ページの対応表記を先に確認してください。

使いたい素材より先に、プリンター側の対応を確認する

フィラメント選びで起きやすい失敗が、素材を買ってから自分の機種で非推奨だったと気づくパターンです。

順番を逆にすれば防げます。

A1 miniとA1の公式推奨はPLA・PETG・TPU・PVAで、ABS・ASA・PC・PA・PET・繊維強化系は推奨ではありません。

P1SはPLA・PETG・TPU・PVA・PET・ABS・ASAまで、PAとPCは非推奨。

P2SはPLAからPA6-CFやPET-CFまで幅広く、H2Dはさらに上のPPS系まで対応します。

密閉構造とチャンバー加熱、ノズル最高温度、ベッド最高温度、この4つがそのまま扱える素材の範囲になっています。

多色で使う場合はもうひと段階あります。

AMS liteはスプール幅40〜68mm・内径53〜58mmという寸法制限があり、他社製の繊維強化系やTPUは非対応。

素材としては機種が対応していても、多色ユニットには通せないという組み合わせが出てきます。

機種ごとの構造差はBambu Lab全機種の違いの比較で解説しています。

用途から逆算するフィラメントの選び方

判断の順序はこうです。

まず、作る物をどこで使うかを決める。

室内の常温なら、ほとんどの場合PLAで足ります。

屋外や熱源の近く、あるいは力が掛かる部品ならPETG。

たわむ必要があるならTPU。

この3択で足りない要求が出てきたときに、はじめてABS以降を検討します。

次に機種の推奨素材と突き合わせ、多色で使うならユニットの対応も見る。

ここまで通ればあとは仕上がりの好みで派生ラインを選ぶだけです。

用途別のより細かい振り分けはPLA・PETG・TPUの使い分けで解説しています。

もうひとつ、最初の1巻を選ぶときは「印刷が通りやすいこと」を優先してください。

素材を変えると温度・速度・冷却のすべてが変わり、うまくいかない原因が素材なのか設定なのか切り分けられなくなります。

標準のPLAで一度きれいに出せる状態を作ってから、素材を1つずつ増やすほうが早い。

症状から原因をたどる方法は3Dプリンターの失敗の原因一覧で解説しています。

種類ごとに違う吸湿性と、開封後の保管

フィラメントは空気中の水分を吸います。

吸湿すると印刷中にプツプツと音が出たり、表面が荒れたり、糸引きが増えたりします。

吸いやすさは素材で差があり、PLAよりPETGやTPU、さらにPAやPCのほうが強く影響を受けます。

対策は密閉保管と、必要に応じた乾燥です。

フィラメント乾燥機の仕様を見ると、SUNLU FilaDryer S2は1kg巻1本で最高70℃、PLAからPA・PCまで対応。

S4は1kg巻4本を同時に扱えて、庫内湿度が50%を超えると自動で再加熱する機能を持ちます。

Creality SpacePi X4は45〜85℃・1〜48時間のタイマー付きで、スプール径200mm以下・幅150mm以下という制限があります。

ここで大事なのは、乾燥温度と時間を一律の数値で覚えないことです。

素材ごとにもメーカーごとにも推奨値が違い、PLAのような低い温度で変形しやすい素材を高温で長時間回すと、巻きが固着することもあります。

おおよそ50〜70℃の範囲が家庭用機器の設定域ですが、実際の数値はフィラメントと乾燥機の両方のメーカー推奨値を確認してから設定してください。

よくある質問

フィラメントの種類は何種類くらいあるのですか

樹脂の種類だけで数えればPLA・PETG・TPU・ABS・ASA・PC・PA・PVA・PET・PP・POM・HIPSなど十数種類あり、そこに繊維強化タイプや仕上がり違いの派生ラインが加わります。

ただし家庭用機種で公式に推奨されているのは数種類に絞られることが多く、実際に選ぶ範囲はもっと狭いです。

違う種類のフィラメントを同じ設定で印刷できますか

できません。

素材ごとにノズル温度・ベッド温度・冷却ファンの設定が変わります。

スライサー(造形データを機械の動作に変換するソフト)には素材別のプリセットが用意されているので、まずそこから始めて、必要に応じて微調整するのが基本です。

A1 miniでABSを印刷するとどうなりますか

公式にABS・ASA・PC・PAは推奨ではないとされています。

オープンフレームで庫内の温度を保てないため反りが出やすく、造形が途中で失敗しやすい構造だからです。

耐熱や強度が必要なら、A1シリーズではPETGで足りるかを先に検討し、それでも足りない場合は密閉型の機種を選ぶことになります。

フィラメントの太さは1.75mm以外もありますか

乾燥機の対応表記に2.85mmや3.0mmが載っているように、太いタイプも存在します。

ただし家庭用の主流は1.75mmで、機種側もこの径を前提にしています。

手持ちの機種の仕様を確認し、指定と違う径は買わないでください。

においが少ない種類を選べば換気は不要ですか

においの強さと安全性は同じものではありません。

PLAのようににおいが穏やかな素材でも、長時間の印刷では換気できる部屋で運転することをおすすめします。

密閉型のP1Sは活性炭フィルター、P2SはVOCフィルターや粒子状物質フィルターを備えていますが、それでも設置場所の換気は考えておいてください。

まとめ

フィラメントの種類は、まず樹脂の素材名で分かれ、その中で仕上がりや靭性の違う派生ラインに分かれます。

選ぶ順序は、作る物をどこで使うかを決めてPLA・PETG・TPUの3択に当て、それで足りないときだけABS以降を検討する。

そして素材を買う前に、自分の機種の公式推奨素材と、多色ユニットの対応まで確認する。

この順番なら、買った素材が非推奨だったという失敗は起きません。

開封後の保管も種類ごとに効き方が違います。

吸いやすい素材は密閉と乾燥をセットで考え、温度と時間はフィラメントと乾燥機それぞれのメーカー推奨値に合わせてください。

ぜひ本記事の素材別の向き不向きと機種側の対応条件を参考に、最初の1巻を選んでみてください。

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