Bambu Lab A1 miniで使える素材と非対応フィラメント
棚に並ぶフィラメントはどれも「1.75mm」と書いてあるのに、A1 miniの推奨素材はPLA・PETG・TPU・PVAの4つだけです。
径が合っていれば何でも通るわけではなく、ABS・ASA・PC・PA・PET、そしてカーボンやガラス繊維で強化したタイプは公式に「推奨ではありません」と明記されています。
ややこしいのは、4スプールを自動で切り替えるAMS liteの対応素材リストにはABSが載っていること。
ユニットが通せる素材と、本体で推奨される素材は別のリストです。
逆にTPUは本体では推奨なのに、AMS liteでは非対応。
本記事では、A1 miniのフィラメント径と推奨素材の読み方・用途からの選び分け・スプール寸法とAMS liteの落とし穴を解説します。

おうち3Dプリンター編集部
おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
A1 miniのフィラメントは径1.75mm、公式推奨はPLA・PETG・TPU・PVAの4つ
フィラメント径1.75mmは、線材そのものの太さを指す表記です。
家庭用FDM(熱溶解積層)機のほとんどがこの径で、Bambu Labの純正フィラメントもここに合わせて作られています。
2.85mmや3.0mmという太い規格も市場には存在しますが、これはA1 miniの押出機構には入りません。
乾燥機の仕様表に「1.75mm / 2.85mm / 3.0mm対応」と書かれているのは、機種をまたいで使える設計だからで、プリンター側の選択肢が広いという意味ではありません。
そのうえで、A1 miniが実際に扱える素材の範囲を決めているのは温度です。
公式仕様のノズル最高温度は300℃、ヒートベッドの上限は80℃。
ノズル側には余裕がありますが、ベッドが80℃で止まり、しかもフレームが開いた構造で庫内の温度を保てません。
この2つが、ABSやASAが推奨から外れている理由です。
付属ノズルは0.4mmのステンレスで、別売で0.2mm・0.6mm・0.8mmが選べます。
本体側の造形性能や静音性まで含めた全体像は、A1 miniの実力と向く人の解説で扱っています。
素材選びの前提として、この温度の上限だけは頭に置いてください。
素材別に見るA1 miniでの扱いとAMS liteの可否
公式の推奨・非推奨と、AMS lite側の対応可否は別々に決まっています。
両方を並べると、迷いやすい組み合わせがはっきりします。
| 素材 | A1 miniでの位置づけ | AMS lite | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| PLA | 公式推奨 | 対応 | 模型・小物・室内で使う造形全般 |
| PETG | 公式推奨 | 対応 | 水まわり・屋外・力の掛かる部品 |
| TPU(柔軟) | 公式推奨 | 非対応 | パッキン・滑り止め・柔らかいカバー |
| PVA | 公式推奨 | 乾燥状態のみ対応(湿ったものは非対応) | 水に溶けるサポート材 |
| ABS・ASA | 推奨ではない | ユニット側のリストには記載あり | — |
| PC・PA・PET | 推奨ではない | ユニット側のリストには記載あり | — |
| カーボン・ガラス繊維強化 | 推奨ではない | Bambu PLA-CFのみ対応、他社製は非対応 | — |
表で読み違えやすいのは右の2列です。
AMS liteの対応素材にABSやPCが並んでいるのは、あくまで「ユニットが送り出せる」という話。
プリンター本体の推奨は変わりません。
逆にTPUは本体では推奨素材なので、AMS liteを経由せず外部スプールから直接送れば印刷できます。
柔らかい素材を自動切替の経路に通すと、途中で座屈して詰まりやすいためです。
純正ラインではPLAベーシック、マット、シルク+、タフ+、半透明、グラディエント、そして高速PETGやPETGベーシックなどが確認できます。
素材そのものの一般的な特性はフィラメント種類の早見表で解説しています。
作りたい物から1本目のフィラメントを決める
室内で使う小物・模型が中心ならPLA
最初の1kgはPLAで問題ありません。
反りにくく、ベッド80℃という上限とも相性がよく、失敗の原因が素材側に寄りにくいからです。
見た目を優先するならマット、落としても割れにくさが欲しいならタフ+のように、同じPLAの中で振り分けられます。
屋外・車内・水に触れる物ならPETG
PLAは熱でたわみます。
夏の車内やベランダに置く物、洗って使う物ならPETGへ。
粘りがあるぶん糸引きが出やすく、リトラクション(引き戻し)設定を詰める手間は増えますが、A1 miniの推奨素材の範囲内で耐熱と靭性を上げられる現実的な選択です。
柔らかい部品が要るならTPU、ただし外部スプールから
TPUは推奨素材ですが、AMS liteには通せません。
多色ユニットを付けた構成でも、TPUのときだけは背面の外部スプールホルダーから送る運用になります。
ここを知らずにAMS liteへ載せると、送りのトラブルで最初の数時間を無駄にします。
同じ「1.75mm」でも、公差とスプール寸法で使い勝手が変わる
表記が1.75mmでも、実際の太さはメーカーごとに幅があります。
公差が大きいフィラメントは、細い箇所で吐出が足りず層が薄くなり、太い箇所では押し出し過多で表面が荒れます。
商品ページに「±0.02mm」のような公差の記載があるかどうかを見比べるのが、レビューの星の数より確実な判断材料です。
もうひとつ効くのがリールの寸法です。
AMS liteが受け付けるスプールは幅40〜68mm、内径53〜58mm。
1kg巻でもこの範囲から外れる製品はあり、外れると自動切替の経路には載りません。
載らないだけで印刷自体はできるので、外部スプールに掛けて使えば済みますが、多色印刷を目的に買った人には想定外の作業が増えます。
吸湿の影響も、太さと同じくらい造形に出ます。
PVAやTPUは湿気を吸いやすく、湿ったPVAはAMS liteでは非対応と明記されています。
乾燥機の設定温度は素材とメーカーで違い、たとえばSUNLU FilaDryer S2の上限は70℃です。
数字を一律に決め打ちせず、フィラメント側の推奨値を確認してから加熱してください。
推奨外の素材を無理に使うと、造形と本体の両方に跳ね返る
ABSやASAは冷えるときに縮みます。
庫内を保温できない構造では、造形途中で角が反り、プレートから剥がれたり層の間で割れたりします。
公式が「推奨ではありません」としているのはこの物理的な理由からで、設定を詰めれば解決する類の話ではありません。
においの問題もあるため、換気しにくい室内での常用には向きません。
繊維強化タイプはさらに別の問題があります。
カーボンやガラスの繊維はノズル内壁を削るため、付属のステンレスノズルでは摩耗が進み、穴径が広がって寸法が狂います。
この摩耗は消耗品交換で済む話ですが、費用は使うたびに積み上がります。
ABSやASAを前提にした造形をしたいなら、機種側を変えるのが順序です。
密閉構造で庫内を保温できるP1SはABS・ASAが公式対応で、その差はP1Sの密閉構造が効く素材の解説で扱っています。
繊維強化や高温素材まで視野に入れるなら、焼入スチールノズルを標準装備するP2Sの進化点と買い替え判断のほうが素材の幅は広いです。
素材ではなく造形サイズが足りないだけなら、A1 miniとA1の違いで180mmと256mmの使い分けを解説しています。
フィラメントを買う前に商品ページで見る4項目
確認する場所は決まっています。
まず径。
1.75mmと明記されているか。
次に推奨ノズル温度と推奨ベッド温度で、ベッド側が80℃を超える指定になっている素材はA1 miniでは無理があります。
三つめがスプール寸法で、幅と内径がAMS liteの範囲に入るかどうか。
最後に乾燥の推奨条件と、開封後の保管方法の記載です。
これらはたいてい、商品ページの仕様表かパッケージ側面のラベルに印字されています。
表示がなく、レビューにも記載が見つからない製品は、買ってから設定を探る手間が発生すると考えてください。
純正フィラメントを使う利点は、スライサーのプリセットに素材名がそのまま並び、温度と速度を自分で入力しなくて済むところにあります。
他社製でも「PLA汎用」のプリセットから始めて微調整すれば問題なく使えますが、最初の1〜2本は純正で基準の仕上がりを掴んでおくと、あとで他社製に移ったときのずれの原因が読めます。
よくある質問
A1 miniで他社製のフィラメントは使えますか
径1.75mmで、A1 miniの推奨素材の範囲(PLA・PETG・TPU・PVA)に入っていれば使えます。
スライサー側では素材の種類を選び、メーカーが公表している推奨ノズル温度・ベッド温度に合わせて調整してください。
AMS liteで自動切替を使う場合だけ、スプールの幅40〜68mm・内径53〜58mmという寸法の条件が追加されます。
ABSを使いたい場合、設定を変えれば印刷できますか
公式にはABS・ASA・PC・PAは「推奨ではありません」とされています。
ベッドの上限が80℃で、フレームが開いていて庫内の温度を保てないためで、設定で埋められる差ではありません。
これらの素材を主に使う予定なら、密閉構造の機種を選ぶほうが確実です。
開封後のフィラメントはどう保管すればいいですか
乾燥剤を入れた密閉容器に入れるのが基本です。
PVAやTPUのように吸湿しやすい素材は、印刷前に乾燥させてから使うと造形の荒れが減ります。
乾燥温度と時間は素材とメーカーで異なり、家庭用の乾燥機は上限70℃前後の製品が多いので、フィラメント側の推奨値を必ず確認してから設定してください。
まとめ
A1 miniのフィラメント選びで押さえるのは、径1.75mmであること、推奨素材はPLA・PETG・TPU・PVAの4つであること、そしてAMS liteの対応リストと本体の推奨は別物だということです。
TPUは本体では推奨でもユニットには通せず、ABSはユニットのリストにあっても本体では推奨外。
この2つのずれが、購入前にいちばん引っかかる箇所です。
作る物が室内の小物ならPLA、屋外や水まわりならPETG、柔らかい部品ならTPUを外部スプールから。
ABSや繊維強化まで必要なら、素材ではなく機種を選び直すのが早い判断になります。
ぜひ本記事の素材別の対応表と購入前に見る4項目を参考に、最初の1本を決めてください。



