Bambu Lab P1Sは買い?密閉構造が効く素材と向いている人
P1Sを選ぶ理由は造形サイズではありません。
256×256×256mmはA1やP1Pと同じで、差は筐体とガラス扉、冷却、活性炭フィルターによる保温構造。
ノズル300℃・ベッド100℃で、A1では推奨されないABS・ASAが公式の推奨素材に入ります。
ただし密閉型なら何でも刷れるわけではなく、付属ノズルはステンレススチールのため、カーボン・ガラス繊維系は公式FAQで不向きとされています。
設置も本体389mm角では足りず、推奨は500mm角です。
本記事では、仕様表で見る5項目・ABS/ASAとCF系の線引き・推奨設置スペースの実寸・P1PやP2Sとの位置関係を解説します。

おうち3Dプリンター編集部
おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
P1Sの仕様表はこの5項目だけ読めば足りる
公式のテックスペックは項目が多いですが、購入判断を左右するのは限られています。
造形体積256×256×256mm、ノズル最高300℃、ベッド最高100℃、最高速度500mm/s、加速度20000mm/s²。
この5つで、作れる物の大きさと素材の上限、そして印刷にかかる時間の見当がつきます。
単位の混同に注意してください。
256mmは長さで、造形できる立方体の一辺です。
500mm/sは速度、20000mm/s²は加速度で、どちらも造形サイズとは無関係です。
カタログで「500」という数字を見て大きさと勘違いする読み違えは実際に起きます。
フィラメント径も別軸で、Bambu Labの機種は1.75mmが前提。
2.85mm径の材料は使えません。
構造はCoreXY。
ヘッドがXY方向に動き、ベッドは上下だけに動きます。
ベッドが前後に動くベッドスリンガー型と違って、奥行き方向の可動スペースを別に確保しなくていいのが実務上の差です。
P1Sとオープン型・上位機の位置関係
P1Sがどの層の機械なのかは、同社の他機種と並べると一意に決まります。
| 機種 | 構造と造形体積 | P1Sとの違い |
|---|---|---|
| A1 | オープン/256×256×256mm | 造形体積は同じ。ABS・ASA・PC・PAは公式に推奨されない |
| P1P | オープン/256×256×256mm | 筐体・冷却・空気濾過がない。ABS/ASA対応はP1S側の機能 |
| P1S | 密閉/256×256×256mm | 活性炭フィルター搭載。ノズル300℃・ベッド100℃ |
| P2S | 密閉/256×256×256mm | 焼入スチールノズルでCF・GF系対応、ベッド110℃、5インチ画面 |
| X1C | 密閉/同クラス | LiDARとAIによる失敗検出、タッチパネルを搭載した上位機(公式FAQ) |
読み取れるのは、P1Sの立ち位置が「造形サイズはAシリーズ据え置きで、素材の幅と環境制御を足した機種」だということ。
造形物を大きくしたいなら別のクラスを見る必要があります。
同じ256mm角のA1とどちらを取るかで迷っているなら、A1とP1Sの違いで開放型と密閉型の使い分けを解説しています。
P1SのABS・ASA対応は密閉と同義ではない
P1Sの推奨素材はPLA・PETG・TPU・PVA・PET・ABS・ASA。
A1シリーズで公式に推奨されないABSとASAが入るのが最大の違いです。
理由は温度で、ABSは印刷中に庫内が冷えると層が剥がれたり反ったりします。
密閉筐体は保温のための構造です。
非対応として明記されている素材
一方でPAとPCは推奨から外れています。
さらにカーボン・ガラス繊維強化系は、付属ノズルがステンレススチールのため不向きと公式FAQで案内されています。
繊維入りの材料は硬く、ノズル内壁を削るからです。
CF系まで視野に入れるなら、焼入スチールノズルが標準のP2Sの仕様と買い替え判断で該当条件を解説しています。
素材から機種を逆算する順序
迷ったら作る物から決めてください。
屋内の小物・模型・治具までならPLAとPETGで足り、この範囲ならオープン型でも困りません。
夏場の車内に置く物、屋外で使う部品、熱の掛かる箇所に入れる部品ならABSかASAが選択肢に入り、そこで初めてP1Sが必要になります。
素材ごとの耐熱と扱いやすさはフィラメント種類の早見表で解説しています。
P1Sの設置は389mmではなく推奨500mm角
本体寸法は389×389×458mm、重量12.95kg。
ここだけ見て棚のサイズを測ると失敗します。
公式が推奨する設置スペースは500×500×950mmで、幅と奥行きに各100mm以上、高さは本体の倍近くを見ています。
扉の開閉、背面の配線、上方向の放熱と、AMSを本体上に載せる運用まで含んだ数字です。
電源は1000W@220V/350W@110V。
日本の家庭用100V環境ではベッド加熱時の立ち上がりで電流を食うので、電子レンジや電気ケトルと同じ回路に集めない配慮はしておいたほうが無難です。
12.95kgという重さは、たわむ棚板の上では造形品質に効きます。
速度500mm/s・加速度20000mm/s²で動く機械は揺れを自分で作るため、剛性のある土台が前提。
設置台の条件は3Dプリンターの台の選び方で解説しています。
数字が合わないまま買うと、こう詰まる
起きる失敗は3種類に絞られます。
ひとつめは造形サイズ。
256mm角を超える物は分割して接着する前提になり、ヘルメットや大型の箱ものを一体で作る計画は成立しません。
ふたつめは素材。
CF入りフィラメントを買ってからステンレスノズルでは不向きだと気づくケースで、ノズル交換という追加の工程が発生します。
みっつめが設置で、これがいちばん取り返しがつきません。
奥行き450mmの棚に本体389mmだから入る、と判断すると、扉が開かない・背面のチューブが折れる・上に熱がこもるという状態になります。
買う前に巻尺で500×500mmの面積が取れるかを確かめてください。
密閉型はにおいが完全になくなる機械ではないので、活性炭フィルターがあっても、ABS・ASAを長時間刷る部屋は換気できる場所を選んでおくのが安全です。
仕様の確認先は公式テックスペックのページ
数値の一次情報は公式ストアの製品ページと、機種ごとのテックスペックです。
造形体積・ノズル温度・ベッド温度・本体寸法・推奨設置スペース・電源が同じページに並んでいます。
対応素材の線引きと、P1PやX1Cとの差分は公式FAQに書かれていて、本記事の「不向き」「推奨ではない」という表現もそこに合わせています。
販売店の商品ページを見る場合は、正規代理店の取扱かどうかを確認してください。
Bambu Labは中国・深圳のメーカーで、日本ではサンステラやSK本舗などの正規代理店流通があります。
並行輸入品では、販売店が独自に取得したPSE認証やサポートが付かないことがあります。
取扱いは店舗と時期で変わるので、注文前に販売元の記載を読むのが確実です。
カメラ仕様のように世代で更新される項目(P1Sは1280×720・0.5fps)もあるため、レビュー記事の数値より公式ページを優先してください。
よくある質問
P1SとP1Pは、あとから同じにできますか
P1Sの筐体・冷却・空気濾過は本体構成に含まれる要素で、公式FAQでもP1S側の機能として説明されています。
P1Pをオープンのまま使う限りABS・ASAは公式対応の範囲に入りません。
ABSやASAを刷る予定が最初からあるなら、P1Sを選ぶほうが素直です。
P1Sは何色まで印刷できますか
フルサイズのAMS(自動フィラメント切替ユニット)に対応し、公式表記では最大16色まで扱えます。
1台のAMSは4スプールなので、16色は複数台を連結した構成です。
まず4色で始めて、必要に応じて増やす形が現実的です。
P2Sが出た今、P1Sを選ぶ意味はありますか
造形体積は256×256×256mmで同じです。
差が出るのはノズル素材(P2Sは焼入スチールでCF・GF系対応)、ベッド最高温度110℃、最高速度600mm/s、5インチ画面、フィルターの構成。
CF系を使わずPLA・PETG・ABS中心なら、P1Sの仕様で用途は満たせます。
世代差の詳細はP1SとP2Sの違いで解説しています。
まとめ
P1Sを選ぶ判断は、造形サイズではなく素材と設置で決まります。
256mm角はA1やP1Pと同じ数字で、上乗せされているのは密閉筐体と活性炭フィルター、そしてABS・ASAへの公式対応。
逆にPA・PCと繊維強化系は範囲外なので、そこまで必要なら別のクラスを見ることになります。
設置は本体389×389×458mmではなく、公式推奨の500×500×950mmで測ってください。
ここを詰めると扉も配線も放熱も無理が出ます。
ぜひ本記事の仕様の読み方と対応素材の線引きを参考に、自分が作りたい物の寸法と素材から機種を逆算してみてください。
ラインナップ全体での位置づけはBambu Lab全機種の比較で解説しています。



