3Dプリンターで作るガンプラ支援グッズの実例|注意点も解説
塗装用の持ち手が足りなくなって、割り箸とマスキングテープで代用します。ガンプラ作りでは、キットそのものより周辺の道具で手が止まります。
全高18m級の機体なら1/144で12.5cm前後なので、Bambu Lab A1 miniの180×180×180mmという造形範囲にディスプレイスタンドごと収まります。
ただし3Dプリント品の表面に残る積層痕は、素組みのつるりとした面と並べるとはっきり見えます。
本記事では、スタンドと塗装治具から作る理由・PLAとPETGとTPUの選び分け・ガンプラのランナーと3Dプリント品を接着するときの注意点を解説します。

おうち3Dプリンター編集部
おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
1/144のガンプラでまず作るのはスタンドと塗装治具
ガンプラのパーツは射出成形で作られていて、ゲート跡を処理すれば面はほぼ平らです。
一方でFDM方式の3Dプリンターは樹脂を細い線で積み上げるため、0.2mm積層なら0.2mmごとの線が表面に残ります。
この2つを並べると質感の差が出るので、キットの外装パーツを置き換える用途から始めると、ヤスリがけと下地処理の作業量が一気に増えます。
先に作って効果が分かりやすいのは、完成品や作業そのものを支える側の道具です。
ディスプレイ用の支柱と台座、塗装中にパーツをつまんでおく持ち手、乾燥させるあいだ持ち手を立てておく穴あきの板、切り出したパーツを色ごとに分けるトレー、ニッパーとピンセットを倒さずに置く工具立てといったものは、表面の積層痕が仕上がりに影響しません。
市販のアクションベースと違って、自分の棚の高さや机の奥行きに合わせて寸法を決められるのも、自作だからできることです。
作業机まわりの整理まで含めて考えるなら、3Dプリンターで作る収納グッズの実例でランナーや小物を仕切るトレーの考え方を解説しています。家庭の中で何が作られているかを広く見たい場合は、3Dプリンターで作れるものの実例も参考になります。
造形サイズは180mmで足りるか、256mmが必要か
1/144のHGを中心に組んでいて、スタンドと治具を作りたいだけなら、A1 miniの180mm角で収まります。
1/100のMGになると全高18cm前後になり、台座を一体で出そうとすると180mmでは入りません。
複数機を並べるジオラマベースのような大物を一体で作るなら、256mm角のA1でも分割と接着が前提になります。
| 項目 | A1 mini | A1 |
|---|---|---|
| 最大造形体積 | 180×180×180mm | 256×256×256mm |
| プリンター本体寸法 | 347×315×365mm | 465×410×430mm |
| 重さ | 5.5kg | 8.3kg |
| ベッド最高温度 | 80℃ | 100℃ |
| 騒音の公式記載 | サイレントモード48dB以下 | 数値の記載なし |
どちらもベッドが前後に動くタイプなので、置き場所を測るときはプリンター本体の寸法だけでは足りません。
奥行き方向にベッドが動くぶんの余白と、フィラメントのスプールを立てる高さを足して考えてください。
夜に作業する人にとっては騒音も条件になりますが、A1 miniのサイレントモード48dB以下という記載はA1側にはありません。
静かに動く設定があっても、完全な留守中や就寝中に長時間回しっぱなしにするのは避けてください。
ガンプラ用の印刷素材はPLA・PETG・TPUの3タイプ
A1 miniとA1が公式に推奨している印刷素材はPLA・PETG・TPU・PVAで、ABS・ASA・PC・PAは「推奨ではありません」と明記されています。オープンフレームで庫内の温度を保てないためで、ガンプラ関連で作るものはこの推奨4つでほぼ足ります。
スタンドと台座はPLA
剛性があって反りにくく、積層痕を削ってサーフェイサーを吹く下地処理もやりやすい素材です。
弱点は熱で、直射日光が当たる窓辺の棚や夏の車内に置くと変形します。
完成品を飾る棚の位置が日当たりの良い場所なら、支柱の素材を変えるか置き場所を変えてください。
塗装の持ち手や溶剤に触れるものはPETG
PLAより粘りがあって割れにくく、ベッド温度100℃まで上げられるA1では扱いやすい素材です。
ただし糸引きが出やすいので、細い支柱を何本も並べて出すと糸が絡みます。
うすめ液や洗浄液に触れる可能性がある道具は、樹脂の種類ごとに耐性が違うため、本番の前に端材で短時間つけ置きして様子を確かめてください。
滑り止めや緩衝材はTPU
柔らかいゴム状の素材で、台座の裏の滑り止めや、完成品を支えるアームの当たり面に向いています。
注意点としてAMS lite(4巻を自動で切り替える供給ユニット)はTPUに対応していません。
TPUを使うときはAMS liteを経由せず、プリンターへ直接通してください。
ABSやASAで強度を出したい場合は、密閉型のP1SやELEGOO Centauri Carbonのように庫内を保温できる機種が対象になります。
ディテール再現で0.4mmノズルが届かない範囲
A1 miniとA1には0.4mmのステンレスノズルが付属し、別売で0.2mm・0.6mm・0.8mmが選べます。
1/144サイズのバーニアの内側や、幅0.3mmに満たないモールドは、0.4mmノズルでは線そのものが出ません。
0.2mmノズルに替えれば細部の再現度は上がりますが、同じ造形物でも印刷時間が大きく延び、ノズル径が細いぶん詰まりにも気を配ることになります。
そもそも細密なディテールパーツは、FDMより光造形のほうが得意な領域です。
そのかわり光造形は、造形後にIPA(イソプロピルアルコール)での洗浄と二次硬化が必要で、未硬化レジンは手袋と換気が前提の扱いになります。
子どもと同じ部屋で作業するなら、この薬剤の管理まで含めて置き場所を決めてください。
素材の安全面の考え方は、3Dプリンターで作るおもちゃの実例でも解説しています。
避けたほうがよい選択もはっきりしています。細部をシャープにしたいという理由でカーボン・ガラス繊維入りのフィラメントを選ぶのは逆効果で、A1シリーズでは公式に非推奨とされているうえ、ステンレスノズルが摩耗します。
ガンプラのランナーと3Dプリント品は別の樹脂
プラモデル用の接着剤は、ポリスチレン系のパーツを溶かして溶着させるタイプが主流です。
PLAやPETGで出力したパーツは樹脂の種類が違うため、同じ接着剤でキットのパーツと同じように付くとは限りません。
接着剤を選ぶときは、適合する樹脂が書かれた表を見てから判断してください。
難接着材料向けのプライマー式接着剤もありますが、セメダインPPXの場合は公式にPE・PP・POM・シリコーンゴム・フッ素樹脂向けとされていて、販売店の注意書きではアクリル系・ポリカーボネート系・ポリスチレン系にひび割れや溶けの恐れがあると案内されています。ガンプラのパーツ側に使うなら、この注意書きを先に読んでください。
いちばん手堅いのは、接着を前提にしない設計です。
3Dプリント側に差し込み用のダボ穴や挟み込むクリップ形状を作っておけば、キットに接着剤を塗らずに取り付けられ、外して元に戻すこともできます。
表面の積層痕は、400番前後から順に番手を上げてヤスリがけし、サーフェイサーで埋めてから塗装すると目立たなくなります。
データの入手先と、ガンプラ関連で越えてはいけない線
無料で探せる配布サイト
MakerWorldはBambu Lab系のモデル共有サイトで、スライサーへそのまま送れるデータが多く並びます。
Prusa Researchが運営するPrintablesや、2008年から続くThingiverseにも、ディスプレイスタンドや塗装治具といった汎用の治具データがあります。
データの探し方そのものに不安があるなら、3Dプリンターでキーホルダーを作る方法でサイトの使い分けを解説しています。
配布と販売で変わる権利の話
MakerWorldのライセンスはモデルごとに作者が設定していて、ND(派生禁止)やSA(同一ライセンスの継承)など条件が異なります。
商用利用できるかどうかは、モデルページのライセンス表示で判断してください。
Printablesの報酬制度Prusametersは公式ショップのクーポンに交換する仕組みで、現金化や譲渡はできません。
そして既存のキットのパーツをスキャンして複製したデータや、版権キャラクターの造形データを配布・販売するには、権利者の許諾が要ります。
自分で組んだキットに自分で作ったスタンドを使う範囲と、データや出力品を人に渡す行為は別のものとして考えてください。
自作の治具を題材にするなら、3Dプリンターで作る便利グッズの実例のように権利関係の心配がないジャンルから広げる方法もあります。
よくある質問
ガンプラのパーツそのものを3Dプリンターで作れますか
形として出力はできますが、1/144サイズの細いモールドやバーニアの内側は、FDMの0.4mmノズルでは再現しきれません。
表面の積層痕を消す下地処理も必要になります。
紛失した小さな部品の代用品やオリジナルの追加パーツなら現実的ですが、キットのパーツを複製したデータを配布・販売するには権利者の許諾が要ります。
印刷したスタンドが夏に曲がったのはなぜですか
PLAは熱に弱い素材で、直射日光の当たる棚や閉め切った部屋の高温下では支柱がたわみます。
飾る場所の日当たりを変えるか、PETGのように粘りのある素材へ切り替えてください。
A1シリーズでABSを使う選択はできません。
公式にABS・ASA・PC・PAは推奨ではないとされています。
ガンプラ用途ならA1 miniとA1のどちらですか
1/144中心で、スタンドや塗装治具を作るのが目的なら180mm角のA1 miniで足ります。
1/100の大型キットの台座や、複数機を載せるベースを一体で出したいならA1の256mm角です。
置き場所の制約が厳しい場合は、プリンター本体寸法347×315×365mmのA1 miniのほうが収めやすくなります。
3Dプリント品とキットのパーツはどう接着しますか
プラモデル用の接着剤はポリスチレンを溶かすタイプが主流で、PLAやPETGには同じようには働きません。接着剤の適合樹脂の表を確認したうえで選び、可能なら差し込み式やクリップ式の形状にして接着剤を使わずに固定する方法を検討してください。
まとめ
ガンプラまわりで3Dプリンターを使うなら、キットの外装を置き換えるより、ディスプレイスタンドと塗装治具から入るほうが仕上がりの差に悩まずに済みます。
1/144中心ならA1 miniの180mm角で足り、素材はPLA・PETG・TPUの3タイプで作れるものがほとんどです。
キットのパーツと3Dプリント品は樹脂の種類が違うので、接着剤は適合表を見てから選び、差し込み式にできるなら接着そのものを避けてください。
ぜひ本記事の造形サイズの比較表と素材の選び分けを参考に、まずはスタンドと塗装の持ち手から作り始めてください。



