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3Dプリンターのインフィルとは?密度とパターンの決め方

スライサーの設定画面には、インフィルの密度を%で入力する欄があります。横に書かれているのは単位の%だけで、何を基準に決めるのかまでは書かれていません。

インフィルは造形物の内部をどれだけ樹脂で埋めるかを示す割合で、0%なら中が空洞、100%なら完全に詰まった状態になります。

ただし同じ20%でも、グリッドかジャイロイドかというパターンの違いで、内部の樹脂量も印刷時間も変わります。

本記事では、インフィル密度の段階ごとの使い道・パターンの選び分け・数値が合っていないときに出る症状を解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

インフィルは内部をどれだけ樹脂で埋めるかを示す割合

インフィルは、外壁の内側に残る空間をどれだけ樹脂で埋めるかを%で指定する設定で、0%から100%まで連続して変えられます。

0%にしても外壁と底面・天面は印刷されるので、造形物が骨組みだけになるわけではありません。

外壁の本数(ウォール)と、天面や底面を平らに埋めるソリッドレイヤーの枚数は別の項目なので、密度を動かしても外側の厚みは変わりません。

内部の充填が担う役目は2つあります。

外から力が加わったときに外壁を内側から支える骨組みと、天面のソリッドレイヤーを下から受け止める土台です。

後者は見落としやすく、密度が低いほどノズルは広い空間の上を渡りながら天面を印刷することになります。

インフィル密度の段階と、向いている使い道

密度は1%刻みで入れられますが、仕上がりの違いとして現れるのは大きく5段階です。

密度の目安内部の状態向いている造形物
0%外壁とソリッドレイヤーだけの中空上が開いた容器、形だけ確かめる試作
10〜15%まばらな骨組み飾り、フィギュア、置くだけの小物
20〜30%天面を下から支えられる間隔箱、ホルダー、日常的に手に取る小物
40〜60%内部がかなり詰まった状態ネジ止めや圧入のある部品、治具
100%中実薄い板状の部品、小さく密な形

差がはっきり出るのは15%と20〜30%の境目です。

密度が上がると充填の線どうしの間隔が狭まり、天面のソリッドレイヤーが渡る距離が短くなります。

反対に40%を超えると内部の樹脂量が急に増え、印刷時間とフィラメント消費も伸びます。

強度は印刷素材・形状・積層の向きでも変わるため、密度だけを上げても狙った硬さになるとは限りません。

パターンは方向と印刷速度で選び分ける

直線で埋めるタイプ

グリッドやラインは直線を並べるパターンで、ノズルの動きが単純なぶん、時間あたりに埋められる体積が大きくなります。

グリッドは線が交差する地点でノズルがすでに積んだ樹脂の上を通るので、速度を上げると交点で音が出たり表面が荒れたりします。

交点を分散させたトライヘキサゴンのようなパターンもあります。

曲線で埋めるタイプと、最小限だけ支えるタイプ

ジャイロイドは交差のない曲線で立体的に埋めるパターンで、上下左右どの向きにも同じように広がるため、向きによる偏りが小さい構造です。

ただし方向転換が連続するので、設定した速度どおりには動けません。

ライトニングは天面の真下だけを枝状に支える最小構造で、時間とフィラメントを抑えられるかわりに、横からの力を受ける部分に骨組みがほとんど残りません。

TPUのような柔らかいフィラメントでは、輪郭に沿って埋めるコンセントリックが使われます。

速度側の上限をどこに置くかは3Dプリンターの速度設定の目安で解説しています。

作る物からインフィルを決める手順

天面の有無と力の向きで絞る

最初に見るのは天面があるかどうかです。

上が開いた容器や、平らな天面がごく狭い形なら、密度が低くても仕上がりには出ません。

天面が広い箱型なら20〜30%まで上げて、天面の様子を確かめてください。

次に、その造形物に力が加わるかを考えます。

フックのように一方向へ荷重がかかる部品では、力の向きに充填の線が並ぶよう配置を決めるほうが、密度を上げるより樹脂の増え方を抑えられます。

ネジ穴や圧入があるとき

ビスをねじ込む穴、軸を押し込む部分、金属インサートを熱で埋め込む箇所は、周囲に樹脂が無いと保持できません。

全体の密度を上げる前に、外壁の本数を増やす方法を検討してください。

スライサーによっては、その部分だけ密度を変えられます。

印刷時間の上限から逆算するのも現実的で、推定時間を見ながら密度を5%刻みで下げると、どこで天面が崩れるかが分かります。

同じ20%でも仕上がりが変わる理由と、設定画面での確認場所

同じ数値を入れても結果が揃わない理由は3つあります。

  • パターンの違い。線の配置が変われば、同じ%でも内部の樹脂量と支え方が変わります
  • 外壁の本数とソリッドレイヤーの枚数。天面の荒れや、押したときのたわみはこちらに左右されます
  • スライサーごとの項目名と初期値。「インフィル密度」「スパース充填密度」と呼び方が分かれます

確かめられる場所は、設定画面とプレビューの2か所です。

OrcaSlicerやCuraでは密度とパターンが同じ欄に並んでいて、スライス後のプレビューに切り替えると、断面の充填と推定印刷時間・フィラメント使用量の見積もりが出ます。

密度を変えたらスライスし直して、見積もりを前後で比べてください。

フィラメントのパッケージや商品ページに推奨値は書かれていないので、判断の材料はこの画面だけです。

インフィルが足りない/多すぎるときに出る症状

密度が低すぎるときに最初に出るのは天面の荒れです。

線と線の間隔が広いと、天面のソリッドレイヤーは空中を渡りながら印刷され、樹脂が垂れて波打ったり、小さな穴が残ったりします。

この渡りの限界は3Dプリンターのブリッジとオーバーハングの限界と対策で解説している条件と同じで、距離が延びるほど垂れます。

側面が内側へ引かれてへこむ場合も、支える骨組みが足りていません。

多すぎる側では、印刷時間とフィラメント使用量が増え、造形物も重くなります。

内部に樹脂が詰まるほど冷えにくくなり、熱の抜け方が偏って反りにつながることもあります。

100%にしても積層方向の接着は温度と押し出し量で決まるので、層の境目で割れる症状は密度では直りません。

素材ごとの目安は3Dプリンターの温度設定の目安、症状から原因を逆引きしたいときは3Dプリンターの失敗の原因を症状から探す一覧で解説しています。

よくある質問

インフィルを100%にすれば丈夫になりますか

樹脂量は最大になりますが、印刷時間とフィラメント消費も最大になり、内部が冷えにくいぶん反りの出やすい条件になります。力の向きと積層方向、使うフィラメントでも結果が変わるため、まず外壁の本数を増やしてから密度を検討してください。

インフィル0%でも印刷できますか

できます。

上が開いた容器や、平らな天面がごく狭い形なら0%でも形になります。

ただし天面が広い形では、ソリッドレイヤーを下から受けるものが無くなるため、天面が落ちます。

天面があるなら、枝状に支えるライトニングを選ぶ手もあります。

密度を上げたのに天面に小さな穴が残ります

天面のソリッドレイヤーの枚数が足りていない可能性があります。

渡る距離を縮めても、上に積む層が1〜2枚では隙間が埋まりません。

枚数を増やすか、天面の厚みをmmで指定する設定に切り替えて確かめてください。

まとめ

インフィルは内部を埋める割合を%で示す設定で、天面の仕上がりは20〜30%あたりで変わり、40%を超えると印刷時間とフィラメント消費の増え方が目立ちます。

パターンが違えば同じ%でも中身は別物になるので、数値だけで決めると見積もりが合いません。

ネジ穴のように樹脂を必要とする箇所は、全体の密度より外壁の本数で対応する方法もあります。

ぜひ本記事の密度の段階表と決め方の手順を参考に、プレビューの推定時間を比べながら設定してください。

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