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3Dプリントがベッドに定着しない原因と対処法を順に解説

ノズルは動いているのに、フィラメントがプレートに乗らずに引きずられていく。

1層目が定着しない原因は複数あって、いちばん多いのはプレート表面の油分と皮脂、次いでZオフセットのずれ、そこにベッド温度の不足や湿気を吸ったフィラメントが混ざります。

厄介なのは、どれも見た目の症状がよく似ていること。

同じ「めくれる」「線が細い」でも、原因が違えば手当ても変わります。

本記事では、数分でできる原因の切り分け・原因別の直し方・繰り返さないための保管と設定を解説します。

おうち3Dプリンター編集部

おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

定着しない原因はプレートの汚れ・Z高さ・温度・素材の4つに絞れる

なお、ヒートベッドやノズルは高温になります。

作業は電源を切って温度が下がってからにしてください。

症状はひとつでも、原因は分かれます。

多い順に並べると次のようになります。

プレート表面の油分・皮脂

いちばん多いのがこれ。

素手でプレートを触った指の跡、造形物を剥がすときに付いた手の脂、それだけで1層目は滑ります。

PEIプレートは表面の微細な凹凸と粘着性で樹脂をつかむ構造なので、油膜が1枚あると設計どおりに働きません。

プレート中央だけ剥がれる、いつも同じ位置で失敗する、という偏りがあるならまず疑う場所です。

Zオフセット(ノズルとプレートの隙間)のずれ

隙間が広いと、押し出された樹脂が空中で丸まってプレートに触れず、細い線が並ぶだけになります。

逆に狭すぎると樹脂が潰れて透けたり、ノズルが引っかいて跡が残る。

Bambu LabのA1 miniやA1のようにフルオートキャリブレーションを備えた機種でも、プレートの裏に付いた樹脂片や異物が挟まっていれば測定値が狂います。

ベッド温度と素材の相性

PLAでも冷えたプレートには付きません。

A1 miniのベッド最高温度は80℃、A1は100℃で、素材ごとの推奨レンジはこの範囲に収まります。

それでも冬場の室温が低い部屋、窓際やエアコンの風が当たる場所では、設定温度どおりでも1層目が冷えて縮む。

この場合は端から浮く反りの症状として出やすい。

湿気を吸ったフィラメント

吸湿した材料は押し出し中にパチパチと音を立て、線の太さが不安定になります。

太さがばらつくと接地面積が足りず、定着も安定しません。

PETGやTPU、PVAは吸湿しやすい素材です。

定着しない原因を自分で切り分ける手順

順番に見れば数分で絞れます。

プレートを外して裏返し、樹脂の欠片や砂粒が付いていないか触って確認してください。

ここに異物があるなら原因はZ高さの狂いです。

取り除いて再測定するだけで直ることがあります。

次に、失敗した1層目の見た目を見ます。

判定は次の表のとおり。

1層目の見え方疑う原因
線と線の間に隙間があり、糸のように細いZオフセットが広い
線が透けるほど潰れ、ノズルの引っかき跡が残るZオフセットが狭い
線の太さは正常だが、特定の一角だけ剥がれるその場所の油分・汚れ
四隅や端が持ち上がって浮くベッド温度不足・室温低下・冷却風
押し出し中にパチパチ音、線の太さが波打つフィラメントの吸湿

それでも判別できないときは、小さなテスト造形を場所を変えて2回走らせるのが早い。

中央で成功して端で失敗するなら、汚れよりプレートの温度分布や設置の水平が疑わしくなります。

逆に場所を変えても同じように剥がれるなら、原因は材料側か設定側に絞られます。

定着しない原因別の直し方

プレートを洗う

PEIプレートは中性洗剤とぬるま湿でスポンジ洗い、そのあと完全に乾かします。

指で触らず、縁を持って戻すこと。

日常のメンテナンスはイソプロピルアルコールを含ませた布で拭くだけでも足りますが、離型剤やスティックのりを長く使っていたプレートは、水洗いのほうが落ちます。

アセトンやシンナーのような強い溶剤、金属たわしは使わない。

表面のコーティングを傷めます。

Zオフセットを微調整する

自動キャリブレーションのある機種でも、印刷中に0.01mm単位で下げ側・上げ側へ動かせます。

1層目の線が丸まって細いなら下げ、潰れて透けるなら上げる。

線の断面が角の丸い平たい帯になり、隣の線とわずかに溶け合って隙間が消える状態が正解です。

1回の変更で決めようとせず、少し動かして1層目だけ見る。

それを繰り返すほうが確実です。

温度と設置環境を整える

ベッド温度は素材のメーカー推奨値を基準に、低いほうから数℃ずつ上げます。

同時に、エアコンや扇風機の風が直接当たらない場所へ移す。

オープンフレームの機種は室温と風の影響を受けやすく、A1シリーズのように筐体で囲われていない構造ではとくに顕著です。

プリンター自体が揺れる台に乗っていると1層目のラインが乱れるため、設置面の条件は3Dプリンターの台はどう選ぶ?揺れない設置台の条件で解説しています。

フィラメントを乾かす

吸湿が疑わしいなら乾燥です。

SUNLU FilaDryer S2は最高70℃で1kg巻1本、S4は同じ70℃で4本同時に扱え、印刷中にそのまま給送できます。

Creality SpacePi X4は45〜85℃・1〜48時間の設定幅があり、PLAからPC、PAまで対応素材として挙げられています。

温度と時間は素材とメーカーで違うので、必ずフィラメント側の推奨値を確認してから設定してください。

乾燥で線の安定は戻りますが、糸引きが主症状なら別の原因も絡みます。

切り分けは3Dプリンターの糸引きの原因と対処法で解説しています。

接地面積を稼ぐ設定を足す

底面が小さいモデル、細い脚が何本もあるモデルは、そもそも接地面積が足りません。

ブリムを付けて外周を広げるか、ラフトを敷いて土台ごと作る。

使い分けの基準はブリムとラフトの使い分けで解説しています。

やっても効果が薄い対処

よく紹介されるものの、原因が違うと空振りに終わる手当てがあります。

ひとつは、ベッド温度をひたすら上げること。

PLAで推奨レンジを大きく超える温度にしても、油分が原因なら剥がれるままで、かえって底面が広がって「象の足」になります。

もうひとつは、スティックのりや専用スプレーの重ね塗り。

応急処置としては働きますが、汚れたプレートの上に塗ると層が不均一になり、次の失敗を呼びます。

洗ってから薄く塗るなら意味がある、という順番です。

印刷速度を極端に落とすのも、1層目に限れば効果は限定的。

1層目はもともと低速で走るよう設定されているので、そこをさらに下げても接地の問題は解決しません。

ノズル温度を上げるのも同じで、押し出し不良が原因でなければ糸引きが増えるだけになりがちです。

それでも直らないときに考えること

プレートを洗い、Zを合わせ、温度も見直したのに1層目が乗らない場合は、押し出し側を疑う番です。

ノズル先端に樹脂の塊が付いていたり、内部が部分的に詰まっていれば、どれだけプレート側を整えても必要な量が出ません。

押し出し量そのものが不安定なときの手順は3Dプリンターのノズル詰まりの直し方で解説しています。

プレート自体の寿命もあります。

PEIの表面は使うほど摩耗し、傷や色ムラが目立つようになると、その部分だけ粘着が落ちる。

裏返して反対面を使う、あるいはプレートを交換するという判断になります。

A1 miniにはテクスチャーPEIとSmooth PEI、A1にはテクスチャード・高温・常温のプレートが用意されていて、素材によって向くものが変わります。

症状が定着だけでなく途中の層でも出ているなら、原因は別のところにある可能性が高い。

症状から逆引きしたいときは3Dプリンターの失敗の原因を症状から探す一覧を先に見たほうが早いです。

なお、樹脂の焼けたにおいで気分が悪くなった、高温部に触れて痛みが残るといった場合は、自己判断で作業を続けず医療機関に相談してください。

繰り返さないための保管と使い方

定着しない状態を毎回リセットするより、起きにくい環境を作るほうが手間が少なくて済みます。

やることは3つ。

プレートを素手で触らない、フィラメントを開封後に密閉して保管する、造形物を剥がすときは冷えてから外す。

フィラメントの保管は、乾燥剤入りの密閉容器か、保管ボックスを兼ねる乾燥機に入れておくのが手軽です。

S4は保管ボックスとしても使え、庫内湿度が50%を超えると自動で再加熱する設定があります。

SpacePi X4も乾燥剤内蔵の密閉保管に対応しています。

素材によって吸湿しやすさは違うので、どれを優先して守るかは3Dプリンターのフィラメント種類一覧の早見表で確認してください。

それから、端が浮く症状が繰り返すなら、定着だけの問題ではなく収縮が絡んでいます。

原因の切り分けと設定の考え方は3Dプリンターの反りの原因と対処法で解説しています。

よくある質問

スティックのりを塗れば定着しますか

一時的な効果はあります。

ただし油分が残ったプレートに塗ると膜が不均一になり、剥がれる場所が移動するだけになりがちです。

まず洗い、乾かしてから、必要な範囲に薄く塗るという順番で使ってください。

Zオフセットはどのくらい動かせばいいですか

0.01〜0.02mmずつが目安です。

一度に0.1mm動かすと、細すぎたものが今度は潰れすぎに振れます。

1層目だけ見て判断し、線が平たい帯になって隣と溶け合うところで止めてください。

新品のプレートなのに定着しません

新品でも出荷時の保護膜や、開封時に触った指の跡が残っていることがあります。

使い始めに一度洗って乾かすと安定します。

それでも変わらないなら、原因はプレート側ではなくZ高さか温度、または材料の吸湿です。

まとめ

1層目が定着しない原因は、プレートの油分、Zオフセットのずれ、ベッド温度と設置環境、フィラメントの吸湿の4つにほぼ収まります。

見た目が似ているぶん、いきなり設定をいじるより、プレートの裏を確認して1層目の線の太さを見るほうが早く原因に届く。

洗って乾かし、Zを0.01mm単位で合わせ、それでも駄目なら押し出し側とプレートの寿命を疑う流れになります。

ぜひ本記事の1層目の見え方と原因の対応表を手元で照らし合わせながら、自分の機種で切り分けを進めてください。

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