ELEGOO Centauri Carbonは買い?仕様と向く人を解説
製品名のCarbonを見て、プリンター本体がカーボン素材でできていると読んでしまうことがあります。ELEGOO Centauri Carbonでこの語が指しているのは、カーボン繊維入りフィラメントに対応することで、公式仕様には0.4mmの真鍮(しんちゅう)硬化鋼ノズルとチタン合金ヒートブレイクが記載されています。
造形サイズは256×256×256mm、ノズルは最高320℃、ベッドは最高110℃まで上がります。
密閉型のCoreXYなので、ABSやASAも公式の対応素材に並びます。
本記事では、仕様表の数値がそれぞれ何を決めるのか・500mm/sと推奨250mm/sが併記される理由・買う前に測っておく設置寸法を解説します。

おうち3Dプリンター編集部
おうち3Dプリンター編集部です。家庭用3Dプリンターを「家電のように迷わず選べる」状態にすることを目指して、機種の比較、フィラメントの選び方と保管、設置環境づくり、印刷トラブルの対処を解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
Centauri CarbonのCarbonは、繊維入りフィラメントに対応するノズルの話
カーボン繊維入りフィラメントは、樹脂に短く切った繊維を混ぜて硬さを出した印刷素材で、ノズルの内側を削りながら通っていきます。
柔らかい真鍮だけのノズルでは穴が少しずつ広がり、押し出し量が合わなくなります。
Centauri Carbonが備えるのは0.4mmの真鍮硬化鋼ノズルで、ヒートブレイク(ノズルと冷却部をつなぐ細い管)にはチタン合金を使うと公式仕様に書かれています。
同じ256mm級の密閉型でも、Bambu Lab P1Sの付属ノズルはステンレススチールで、公式FAQはカーボン・ガラス繊維系には不向きだとしています。
Creality K1Cはスチールチップのトライメタルノズルを採用し、カーボン繊維入りフィラメントに対応すると公式が記載しています。
製品名のCarbonは、こうしたノズル材質まで含めて繊維入り素材を前提にした設計である、という表示だと読んでください。
仕様表で先に見る7項目と、その数値が決める範囲
公式の技術仕様はおおよそ次の7行に集約されます。左から順に読むのではなく、自分が作りたい物から逆に引くと判断が早くなります。
| 項目 | Centauri Carbonの数値 | この数値で決まること |
|---|---|---|
| 造形サイズ | 256×256×256mm | 分割せずに一体で作れる最大の大きさ |
| ノズル最高温度 | 320℃ | 使えるフィラメントの上限(PC・PAまで) |
| ベッド最高温度 | 110℃(環境25℃時) | ABS・ASAなど反りやすい素材の定着 |
| 最高速度 | 500mm/s(推奨250mm/s) | 印刷時間の上限と、常用の目安 |
| 加速度 | 20000mm/s²(既定10000) | 細かい往復が多い形状での実時間 |
| 最大流量 | 32mm³/s | 太いノズル・厚い積層での実際の速さ |
| プリンター本体寸法 | 398×404×490mm・約17kg | 置ける場所と台の耐荷重 |
温度の2行だけは素材選びに直結する
ノズル320℃とベッド110℃という組み合わせは、PLAやPETGだけを使うなら過剰です。
意味が出るのはABS・ASA・PC・PAを扱うときで、密閉構造と合わせて庫内の温度が下がりにくいことが反りの抑制につながります。
公式の対応素材にはPLA・PETG・ABS・ASA・TPU・PET・PC・PAと、CF/GF強化材が並びます。
手のひらサイズのPLA小物しか作らない予定なら、この2行は選定の決め手になりません。
Centauri Carbonの設置は、造形サイズ256mmと外形398×404×490mmを分けて測る
造形サイズ256×256×256mmは作れる物の寸法で、置き場所に要るのは外形398×404×490mmのほうです。ここを混同すると、棚には入ったのに運用できないという事態になります。
前後の余白は、ドアを開く分だけでよい
Centauri Carbonは密閉型のCoreXYで、ヘッドが上部で前後左右に動き、ベッドは上下にしか動きません。
A1のようにベッドが前後へせり出すベッドスリンガー型と違い、印刷中に奥行き方向へ張り出す部分がない構造です。
そのかわり強化ガラスドアが手前に開くので、扉の可動分として手前に40cmほどの空きを見ておいてください。
上面カバーやフィラメントの取り回しもあるため、上方向にも20cm前後の余裕があると扱いやすくなります。
約17kgを載せられる台かどうか
重量は約17kgです。
カラーボックスの天板や折りたたみテーブルに置くと、高速で動くヘッドの反動で台ごと揺れ、造形面に波模様が出ます。
揺れる台の上では自動振動補正も前提から外れます。
奥行き45cm以上の平らな板で、脚がしっかりした机を用意してください。
置き場所から機種を絞る考え方は家庭用3Dプリンターのおすすめと選び方で解説しています。
対応素材の幅で比べると、差が出るのはABS・ASAとCF系
家庭用の候補を対応素材でそろえて並べると、違いははっきりします。
Bambu Lab A1・A1 miniはオープンフレームで、ABS・ASA・PC・PAが公式に推奨ではありません。
P1Sは密閉型でABS・ASAまで公式の対応素材に入る一方、PA・PCは非推奨で、付属のステンレスノズルのため繊維強化材には向かないとされています。
Centauri Carbonは密閉型でPCとPAまで、さらにCF・GF強化材まで公式に並ぶ点が、この価格帯の機種として分かりやすい差です。
造形サイズも合わせて見ると選択肢が絞れます。
Creality K1Cは220×220×250mmで、繊維強化材に対応する点はCentauri Carbonと重なりますが、一体で作れる大きさは一回り小さくなります。
K1シリーズ内での違いはK1C・K1 Maxの比較で解説しています。
メーカーごとの性格の差を先に知りたい場合はELEGOOというメーカーの特徴が参考になります。
500mm/sと推奨250mm/s、Centauri Carbonの数値が二段構えになる理由
速度500mm/sに対して推奨250mm/s、加速度20000mm/s²に対して既定10000mm/s²と、公式仕様には2つの数字が並びます。
前者は機構として出せる上限値で、後者は品質を保ったまま常用できる値です。
仕様表の最高値だけを他機種と比べても、実際の印刷時間は一致しません。
時間をより左右するのが最大流量32mm³/sという数値で、1秒間にノズルから出せる樹脂の体積を示します。
ヘッドをいくら速く動かしても、溶けて出る樹脂が追いつかなければスライサーソフト側が速度を落とします。
0.4mmノズルで薄く積む設定なら流量が上限に達する場面は限られますが、0.6mm以上の太いノズルで厚く積むときはこの値が実速度を決めます。
カタログの最高速度ではなく、推奨値と流量の組み合わせで見積もってください。
仕様が合わないと何が起きるか、どこで確認できるか
造形サイズを超える物を作ろうとすると、スライサーソフトの画面でモデルがプレートからはみ出し、分割して印刷したあとで接着する作業が増えます。
ノズル温度が足りない素材を無理に通せば、溶けきらずに押し出し不良や詰まりが起こります。
設置寸法を測らずに買うと、扉が壁に当たって全開にできず、造形物を取り出すたびに本体を引き出すことになります。
確認先は3か所です。
まず公式の製品ページにある技術仕様で、造形サイズ・温度上限・対応素材・外形寸法がまとめて載っています。
次に購入予定の販売ページのスペック表で、付属プレートやノズル径など同梱物の記載を見ます。
Centauri Carbonは両面プレート(テクスチャーPEI面とPLA専用面)が付き、スライサーはElegooSlicerを推奨しつつOrcaとCuraにも対応すると公式が示しています。
多色印刷については、2026年10月時点の公式記載では別売ユニットのCANVASで対応予定とされています。
よくある質問
Centauri Carbon単体で多色印刷はできますか
プリンター本体だけでは1色ずつの印刷になります。
公式の製品ページには、多色は別売ユニットのCANVASで対応予定と記載されています。
発売時期や対応範囲は時期によって変わるため、購入前に公式の最新情報を確認してください。
カーボン繊維入りフィラメントを使うとき、ノズル交換は必要ですか
付属の0.4mmノズルが真鍮硬化鋼で、公式の対応素材にCF・GF強化材が含まれています。
そのため繊維入りを使うために別のノズルへ替える前提にはなっていません。
ただし繊維入りは通常のPLAより内部を削るため、押し出し量が合わなくなってきたらノズルの摩耗を疑ってください。
ABSを印刷するとき、においへの対策は要りますか
Centauri Carbonは密閉構造で、ナノミネラルクリスタル製のエアフィルターを備えると公式に記載されています。
それでも高温で樹脂を溶かす以上、においや微粒子はゼロにはなりません。
ABSやASAを長時間印刷する場合は、窓を開けるか換気扇を回せる部屋に置いてください。
まとめ
Centauri Carbonの仕様を読むときは、造形サイズ256×256×256mmで作りたい物が収まるか、ノズル320℃とベッド110℃を必要とする素材を使うか、外形398×404×490mmと約17kgを置ける場所があるか、この3点から順に当てはめると判断が早くなります。
速度500mm/sという数字は上限値で、実際の印刷時間は推奨250mm/sと流量32mm³/sのほうから見積もってください。
そもそもFDMと光造形のどちらを選ぶかで迷っている段階なら、光造形とFDMの違いから読むと判断材料がそろいます。はじめての1台として検討している場合は初心者が最初の1台に求める条件も合わせてご覧ください。
ぜひ本記事の仕様表と設置寸法の測り方を参考に、自分の置き場所と作りたい物から機種を絞ってください。



